beacon

急速に進化する浦和、発展途上で首位に

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.25 J1第7節 千葉0-1浦和 フクアリ]

 浦和レッズが4連勝で首位に躍り出た。開幕戦こそ鹿島に0-2で敗れたが、それ以降は4勝1分の無敗。3バックから4バックへの変更、個人頼みのサッカーから組織的なパスサッカーへの転換を図るフォルカー・フィンケ監督のコンセプトが着実に浸透してきていることを結果で証明している。

 ナビスコ杯を含め、公式戦5試合連続の1-0。3月25日のナビスコ杯・広島戦(0-1)の前半27分に失点したのを最後に513分間、無失点が続いている。ドイツ人監督は「1-0という試合が続くと、イタリア人の監督が来たと思われるかもしれないが、そんなことはない」とジョークを飛ばし、「チーム全体が攻撃的な守備をしているから無失点が続いている」と強調した。

 目を見張るのは攻撃から守備への切り替えの速さと、運動量だ。決して4バックが安定しているわけではないが、フィンケ監督が言うようにチーム全体が連動しながら体を張った守備ができている。DF田中マルクス闘莉王は「3バックから4バックに変えて、難しいところもあるけど、走ってボールを奪い返す姿勢が出ている。それはいいこと」と手応えを口にした。

 サッカーの基本だが、それを忠実に全選手がまっとうしているからこそ、公式戦5試合連続の1-0、首位浮上という結果につながっている。攻撃面ではボールを回しながら崩しの形が見えないといった課題もある。ただ、鹿島に完敗を喫した開幕戦と比べれば、チームは驚くほど急速に進化している。

 フィンケ監督は「チームはポジティブな形で変化を見せ、いい方向に進んでいる。このままこの道を進めば、もしかしたらいい結果が残せるかもしれない」と言った。発展途上にいながら、しっかりと結果に結び付けている新生レッズ。本物の「赤い悪魔」に生まれ変わる日も近いかもしれない。

<写真>試合後、サポーターに挨拶する浦和選手たち
(取材・文 西山紘平)

TOP