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雨中の逆転劇!浦和が暫定首位浮上!

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[5.5 J1第10節 柏 2-3 浦和 国立]

 雨中の国立競技場に観衆32,854人を集めたJ1第10節・柏レイソル浦和レッズは、後半39分に相手オウンゴールで追いついた浦和が後半42分のFWエスクデロ・セルヒオの決勝ゴールで3-2で勝利。9戦不敗とした浦和は、ACLのために第10節の試合が7月1日に行われる首位・鹿島をかわし、暫定首位に立った。

 ホームの柏は4-5-1システム。GKが菅野孝憲で、4バックは右から小林祐三、古賀正紘、近藤直也、石川直樹。5人で構成された中盤はボランチの位置に山根巌と杉山浩太が入り、トップ下が栗澤僚一。両ワイドは右が李忠成で左が菅沼実、そして北嶋秀朗が1トップを務めた。
 対する浦和も4-5-1システム。GKが都築龍太で4バックは右から山田暢久、坪井慶介、田中マルクス闘莉王、細貝萌。鈴木啓太と阿部勇樹が中盤の底の位置に入り、右MFがポンテで左MFが原口元気、トップ下が山田直輝で1トップはエジミウソンだった。

 またもや劇的な勝ち点3奪取。浦和が暫定首位に立った。立ち上がりいい試合の入りをしたのは昨年国立での浦和戦を2-1で制している柏だった。1分、右SBの小林が李とのワンツーからPAへ侵入し、左足シュート。さらに3分には菅沼の左FKがファーサイドの近藤の足元へ入る。雨の影響かややプレッシャーに甘さのあった浦和から立て続けに決定的なチャンスをつくった。
 だが、その後は浦和の時間帯が続く。9分にエジミウソンが反転から右足シュートへ持ち込み、11分には右サイド・ポンテのヒールパスから放った阿部の右足シュートがDFに当たり、ポストをかすめた。そして直後の左CKで先制点が生まれる。ポンテのキックをニアサイドの闘莉王がそらすと、ファーサイドへ飛び込んだエジミウソンが体ごとゴールへと押し込んだ。リードを奪った浦和は相手をアタッキングゾーンにも近づけずに攻め続ける。山田直とポンテのワンツー、そして闘莉王のスルーパスにエジミウソンが反応する。ミスパスでカウンターを浴びかけても山田直がすぐさまボールを奪い返すなど流れを断ち切らない。
 立ち上がりの攻勢以降全くシュートに持ち込むことができていなかった柏だが、1チャンスを生かして同点に追いついた。24分、カウンターから李が右サイドのスペースへボールを転がす。相手DFとスライディングでボールを競った小林がすぐさま起き上がり絶妙な右クロス。これをニアサイドへ飛び込んだ北嶋がダイビングヘッドでゴールへ突き刺した。
 浦和は直後に左クロスから闘莉王が決定的なヘッドを放つも柏GK菅野がビッグセーブ。勢いの衰えない柏は37分、エジミウソンのハンドで得たFKで菅沼が再びファーサイドを狙う。走りこんだ近藤の前で浦和・坪井にカットされたが、ボールがこぼれた先はゴールエリアにフリーで構えていた石川の足元。大谷は強烈な左足シュートで勝ち越しゴールを奪った。

 リードされた浦和・フォルカー・フィンケ監督は「高原を入れることで前線を活性化する」と、後半開始から原口に代えてFW高原直泰を投入。2トップへ変更して攻撃を繰り出していく。だが、12分の山田直の決定的なヘディングシュートを菅野に弾き出されるなどどうしても1点が遠い。それでも3点目を奪うことのできない柏に対して浦和はエジミウソンや23分に投入されたMFエスクデロ・セルヒオらがゴールに迫ると、残り10分を切った39分から劇的なドラマを演じてみせる。
 ポンテの左CKを柏DFがオウンゴール。ラッキーな形で同点とすると42分だ。右サイド、PAへ進入したエジミウソンが右足シュートを放つ。柏守備陣の必死のクリアをエスクデロが押し込み決勝ゴール。柏は5分間のロスタイム直前から負傷明けのエース・FWフランサを投入したが時すでに遅し。逃げ切った浦和が国立で暫定首位に立った。

(取材・文 吉田太郎)

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