[5.23 J1第13節 千葉1-1横浜FM フクアリ]

　横浜F・マリノスはDF小宮山尊信の起死回生の一発で、勝ち点1を拾った格好となった。試合は終始、自分たちがボールを保持し、終盤は一方的に押し込んだ。しかし、千葉の粘り強い守備に阻まれ、ゴールを奪えない。敗色濃厚の後半43分、左サイドからのクロスをDFボスナーがクリアミスすると、ボールは小宮山の目の前へ。迷わずダイレクトで振り抜いた右足シュートがゴール右隅に吸い込まれていった。

　「得点のことしか考えてなかった。点を取る気満々だったし、チームとしても前へ前へという感じだったから、後ろのことは考えなかった」。左サイドバックながら試合終盤にゴール前に飛び出し、値千金の同点弾。後半5分の失点シーンでは、自分の背後からFW巻誠一郎にフリーで飛び込まれ、先制点を許していた。小宮山のマークミスと言うのは厳しいかもしれないが、失点に絡んだのは事実だっただけに、ホッと一安心という表情だった。

　前節16日のF東京戦(0-1)から導入した4-3-3の新システムは、まだまだ機能しているとは言い難い。この日も最終ラインでボールは回せても、中盤の厳しいプレスをかいくぐれなかった。効果的な崩しのアイディアも、ボールを呼び込むフリーランニングもなく、攻めあぐね続けた。

　「足元ばかりになって、途中で相手のプレスに引っかかってカウンターを受けるというのが多かった」と振り返ったDF中澤佑二は、追いついての引き分けにも「もっと攻撃のバリエーションを増やさないと。走って動いて裏に抜けるとか、全員が足元でもらっていたらダメ」と自分たちを戒めていた。

<写真>横浜FMは小宮山(13番)の得点で同点に追いついた
(取材・文　西山紘平)