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新人DF染谷先制弾!京都が広島を返り討ち

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[6.27 J1第15節 京都 2-0 広島 西京極]

 07年のJ1・J2入れ替え戦以来の対戦となった京都サンガF.C.サンフレッチェ広島との一戦は、京都が流通経済大出の新人DF染谷悠太のJ初ゴールなどで2-0で勝利。07年J2降格の雪辱に燃える広島を返り討ちにした。

 試合序盤ボールを支配していたのは、J1最多の28得点を挙げている広島。前線で動き回ってスペースを作り出すFW佐藤寿人に引っ張られ、中盤、そして最終ラインの選手までもが敵陣のスペースに入り込んでいく。4分にはMF青山敏弘の強烈な右足ミドルが枠を捉えた。
 だが、先に決定機をつくったのはカウンターから広島ゴールを狙う京都だった。5分、MF渡邉大剛のスルーパスに反応したFW柳沢敦が、飛び出してきたGKをあざ笑うかのような右足ループシュート。だが、これはゴール右ポストを叩き、先制点にならない。
 
 気温32.7度の強烈な暑さも構わず、持ち味の細かいパス交換から次々と攻撃を繰り出していく広島は、左クロスにDF槙野智章が飛び込み、MF高萩洋次郎のポストプレーから佐藤寿が決定的な左足シュート。だが、好守を見せる京都GK水谷雄一を破ることができない。29分のDFストヤノフの直接FKもクロスバーを叩き、先制点を奪えなかった。
 すると、京都は意外な男が先制点をもたらす。37分、ハーフウェーライン付近でボールを受けた染谷がスルスルとドリブルで持ち上がり、大きな切り返しでDFふたりを翻弄。そのまま左足ミドルを放つと、ボールは相手DFに当たってコースが変わり、そのままゴールへと吸い込まれた。

 アンラッキーな失点で先制点を奪われた広島は、直後に左足脛を痛めていたMF柏木陽介が負傷交代。さらに後半5分には左太ももを負傷したDF盛田剛平もピッチを去ってしまった。相次ぐ負傷交代を強いられた広島だが、それでも11分に右サイドを突いたMFミキッチの折り返しから途中出場のMF高柳一誠が決定的なシュート。その後も高柳、高萩がゴールに迫る。だがシュートの正確性を欠くなど、この日は1点が遠い。

 逆に堅い守りに加え、柳沢のキープ力を生かしてしっかりとチャンスもつくる京都は、セットプレーから貴重なゴールを奪った。22分、ディエゴのFKからDFラインの裏へ飛び出したDF水本裕貴が絶妙なヘッドを決めて2-0。広島は30分に07年の入れ替え戦でゴールを決めているFW平繁龍一をピッチへ送り出したが、京都ゴールを破るにはいたらず。広島の連勝は3で止まり、京都は3試合ぶりの勝利を飾った。
 試合後のインタビューで京都の染谷は「これまでチームに迷惑をかけていたので貢献したいと思っていた。チームが勝てたことがうれしい。(今日のプレーで)慢心になることなく自信にしていきたい」とコメント。この日CB起用された染谷と水本のCBふたりで2点を奪った京都が、ホームで勝ち点3を加えた。

(文 吉田太郎)

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