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[Jの新風(9)]MF原口元気(浦和)

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[7.15 ナビスコ杯準々決勝第1戦 浦和2-1清水 埼玉]

 ピッチ上の22人で最も輝いていたのは間違いなく浦和レッズの18歳、MF原口元気だった。試合開始直後から切れ味鋭いドリブルで何度も左サイドを切り裂き、チャンスを量産。前半19、26分には自ら中に切れ込んでフィニッシュまで持ち込み、ゴールを襲った。

 前半24分の先制点となったPKも原口のドリブルが獲得したものだった。「その前のプレーでも調子がいいのは分かっていた。相手に向かって行けば、逆を取って抜けるなと」。自信に満ち溢れたプレー。イキイキとした原口のプレーを久々に見ることができた。

 「初めて自分が納得いくプレーができた。今までで一番よかったと思う。調子がいいときは自然と体が動く。ドリブルで相手の逆を取れたり、自然とできる。絶対、ボールを取られない気がした。ドリブルしたら絶対行けるなっていう感じがしてた。ユースのときはいつもそうだったけど、プロでは初めてで、すごい楽しかった」

 ひとつの殻を破ったのかもしれない。3月7日の開幕戦でJ1史上2番目の若さで先発を飾るなど、一躍注目の的となった。シーズン当初は積極的なドリブルなど持ち味を見せていたが、徐々に思い切ったプレーが影を潜め、本人も悩みを抱えているようだった。5月にはフィンケ監督の指示もあり、報道陣の取材に応じなくなる時期もあった。

 プロとして初めて明確な自信をつかんだのだろう。流ちょうに自分のプレーを振り返る表情には充実感も漂っていた。何かが突き抜けた18歳。今後に向けて大きな転機となる一戦だったかもしれない。

<写真>浦和MF原口
(取材・文 西山紘平)
※この連載企画では、ナビスコ杯のニューヒーロー賞候補選手の中で、各試合最も活躍した選手を取り上げていきます。

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