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まさに「等々力劇場」!川崎Fが4日間で2度目のロスタイム弾!

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[8.1 J1第20節 川崎F 2-1 F東京 等々力]

 まさに「等々力劇場」だった。
 川崎フロンターレがまたもや後半ロスタイムのゴールで劇的な勝利を勝ち取った。FC東京とのライバル対決「多摩川クラシコ」は1-1で後半ロスタイムに突入。だが、その20秒過ぎに奇跡が起こる。MF中村憲剛の右クロスはF東京DF今野泰幸がクリアするが、ボールの先にはMF谷口博之が待ち構えていた。

 「結構疲れていたので、とにかくフカさないようにまずゴールへ打つことを心がけた」という背番号29が右足ダイレクトで撃ち抜くと、ボールはDFがブラインドになって反応が遅れたGK権田修一の股間を抜けてゴールへと突き刺さった。
 
 運も重なったV弾。人差し指をスタンドへ掲げて喜んだ谷口に川崎Fイレブンが一斉に駆け寄る。そして約3分半後に試合終了の笛。歓喜を爆発する川崎FイレブンのとなりでF東京イレブンがピッチへ倒れこむ。勝敗の行方が分からない互角の戦いで幸運を引き寄せたのは、2万人を越えるサポーターの声援に後押しされた川崎Fだった。「もう、どっちが勝ちたいかだった。細かいところがいろいろと重なってあのゴールが生まれた。本当に大きなゴールだった」と中村は試合後も興奮を隠し切れなかった。
 
 わずか3日前のナビスコ杯準々決勝第2戦でJ王者・鹿島からFWジュニーニョが奪った後半ロスタイムのスーパーゴールに続く川崎Fの奇跡的な勝利。この日、広島に敗れた首位・鹿島との勝ち点差は8となり、暫定2位に浮上した。引き分けでも踏みとどまることが難しいが厳しいサバイバルマッチで、ナビスコ杯に続いて生き残った。
 公式戦5試合未勝利という不調の後に生まれた2つのミラクルゴール。土壇場で「何かを起こす」川崎Fは今、悲願のタイトル獲得へどこよりも乗っている。

<写真>終了間際に劇的な逆転ゴールを決めた川崎F・FW谷口(29番)
(文 吉田太郎)

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