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柏、ネルシーニョ監督が初ベンチも●…。古賀の負傷に、戦術の読み違いも響く

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[8.2 J1第20節 柏0-1神戸 柏]

 柏レイソルは、ネルシーニョ新監督が初めてベンチに入って采配を振るったが、勝利はお預けとなった。前半のうちに負傷者が出たことや、7月20日に練習合流したばかりとあって、選手と戦術面での意思疎通が十分に取れていないことなど不運が重なった。

 「前半、守備の面で整えるのが遅れた。神戸にチャンスを作られてしまった。古賀のような選手を、ああいう時間帯に失ったのも大きい。守備システムを変更? (FWだと思っていた)ボッティがトップ下に入っていたからね。うちのボランチは、向こうのボランチをケアしていた。古賀がけがをしたから、次郎(鎌田)を入れてマンマークでつけたんだ」

 会見で、指揮官がこう振り返ったように、前半は守備で混乱した。神戸が予想に反して4-5-1できたのだ。ミーティングでは、神戸が2トップでくると予想して対策を練っていたため、3バックをしく柏の守備陣は対応しきれず。両方ともサイドのスペースを突かれたうえ、トップ下に入ったボッティの対応にも戸惑った。

 「どうすりゃいいのかなと思った。最初、指示はなかった。ちょっと曖昧な部分があった。次郎(鎌田)がボッティについたけど、4バックとは言われなかった。(次郎に)指示がうまく伝わっていなかったのかな…」とはDF近藤直也。

 3バックの一角を務めたDF古賀正紘が右足首を負傷し、前半17分にDF鎌田次郎と交代。これを機に、近藤ら守備陣の判断もあって4バックに変更した。鎌田はボランチの位置で神戸・ボッティのマークについた。

 これでやや守備が落ち着き、フランサ、李忠成、菅沼実といった自慢の攻撃陣が機能し始めたが、大津祐樹が慣れない左SBに入ったこともあり、十分な破壊力が出せなかった。決定力不足にも泣き、ゴールを割れなかった。 後半19分の失点はセットプレーからだったが、こちらもマークの面でズレがあったという。

 勝ち点は16のままで、順位も17位と、J2降格圏をさまよっている。残留の最低ラインとなる15位・神戸とは勝ち点が6差と離れ、最下位の大分との差は、6に縮まっている。

 「中断するこの2週間で、プレーのクオリティーを上げたい。選手のパワーを出せるようにしたい」とネルシーニョ監督。幸い、オールスター戦の影響で中断期間がある。この時間を使い、果たしてどこまで、建て直せるのか。かつて名将といわれ、日本代表監督にも名前が挙がった指揮官の手腕の見せどころとなる。

(取材・文 近藤安弘)

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