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川崎F・エースが大活躍! 退場劇もゴールも生んだ

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[9.6 ナビスコ杯準決勝第2戦 横浜FM1-1川崎F 日産ス]

 川崎フロンターレが第1戦2-0勝利のアドバンテージを生かし、07年以来3度目の決勝進出を決めた。立役者はFWジュニーニョだ。

 後半ロスタイムに1-1同点とする値千金弾を決めたが、それだけではない。守備、そして“勝利への執念”でも貢献した。

 この日も4-3-3のシステムを採用し、ジュニーニョは左FWに入った。しかし、守備の場面では、4-5-1システムのように後方に下がってしっかりディフェンス。味方が奪った際には、無尽蔵のスタミナを発揮し、カウンター攻撃を仕掛けた。

 後半23分にDF井川祐輔が退場して1人少ない10人になってからは一層、守備に奔走。エーストライカーとは思えないほどの献身的なプレーだった。

 そして後半42分に、ご褒美? が舞い込んできた。ジュニーニョは笛が鳴っていたにもかかわらず、ボールを拾ってシュートを放った。これを遅延行為と感じた横浜FMのGK飯倉大樹が怒りを露にし、ジュニーニョに後方からタックル。一発退場を引き出した形となった。

 「背中のほうをやられた。後ろ向きでやられたのは初めてだね。予想もしていなかったよ。まあ、あの時間帯だったからね(飯倉の気持ちも分からないではない)。あの場面? 自分では笛が吹かれていたのは気づかなかった。相手のDFが倒れて、ボールを抱え込むようにしていたから、奪ってシュートしただけ。勝ちたかった。決勝にいきたかったからね」

 時間稼ぎではなく、勝利への執念だったと明かしたエース。結果的にこれで10人対10人と同数となり、川崎Fが息を吹き返した。そして、横浜FMに止めを刺すゴールを、ジュニーニョ自らが決めたのだ。

 「あのゴールで決勝行きのパスポートに判を押せたと思う。次は決勝だが、相手は能力の高い選手が多い。魂を込めて戦いたい。前回はかけたくなかったから、手に持っていた。今度は優勝のメダルをかけたいね」

 ジュニーニョは力強く宣言した。前回07年の決勝では、G大阪に0-1で敗れて涙を飲んだ。当時は“準優勝のメダル”を渡されても悔しさから首にかけず、手に持っていた。今度こそ-。今季はリーグ戦、ACL、ナビスコ杯、天皇杯とすべてのタイトルの可能性を残すが、エースはすべてを奪いにいく。

(取材・文 近藤安弘)

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