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横浜FM・中澤「ニュースパイクのおかげかな」

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[9.27 J1第27節 浦和1-2横浜FM 埼玉]

 横浜F・マリノスが再び“上位いじめ”に成功した。前節19日の首位・鹿島に続き、調子を上げつつある浦和も撃破して2連勝。浦和が勝てば鹿島に勝ち点差7に迫り、逆転Vの可能性も見えてくる状況だったが、食い止めた。立役者はDF中澤佑二とFW渡邉千真だ。

 まずは中澤だ。前半3分の右CKの場面で、二アサイドでFW渡邉がDFと競り合ったこぼれ球をファーサイドで待ち構え、左足で押し込んだ。「ニュースパイクで試合に臨んだ。そのおかげかは分からないけど、足で点が取れました。(やっぱり)スパイクのおかげかな(笑)」と冗談も飛び出した。

 続いて渡邉だ。前半のロスタイム。MF河合竜二がスルーパスに反応し、ゴールエリア右に突進。一度は浦和MF鈴木啓太に体を入れられて奪われたが、すぐさまMF長谷川アーリアジャスールが奪い返し、中央へグラウンダーのパス。詰めていた渡邉が左足で押し込み勝ち越しを導いた。前半15分に同点に追いつかれていただけに、貴重な一発となった。

 渡邉にとっては3試合連続の今季11得点目。横浜FMのOBで、元日本代表FWの城彰二氏(当時は市原)が持つ新人最多の12得点に“王手”をかけた。「マークがきつくなっているのは感じるけど、みんながいいアシストをくれる。チームの勝ちにつながってうれしい。11得点目? 記録がすぐそこまできているので狙って活きたい」と力強い言葉が飛び出した。

 横浜FMは優勝戦線からは外れているが、いち早くJ1残留を確定させたいだけに貴重な勝ち点3となった。特に、MF小椋祥平が今節から2試合出場停止、MF兵藤慎剛も負傷離脱中という状況だけに、なおさら大きい。

 最近はもともとの堅守に加え、攻撃でもしっかりと中盤でパスが回せるようになり、怖さも出てきつつある。渡邉のほか、MF長谷川、MF狩野ら若手の成長も著しい。次節4日はアウェーの川崎F戦。「相手はモチベーションが高いと思う。しっかりと戦いたい。調子は僕自身、悪くないし、チームもいい状態できている」と中澤。再び、上位を食う-。勢いをつけてきたトリコロール軍団が、優勝戦線を面白くする。

(取材・文 近藤安弘)

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