日本のライバル、カメルーンは3試合ぶりゴールでなんとか引き分け
[5.29 国際親善試合 カメルーン1-1スロバキア クラーゲンフルト]
日本が6月14日のグループリーグ初戦で対戦するカメルーンは29日、オーストリアのクラーゲンフルトでスロバキアと強化試合を行い、1-1で引き分けた。カメルーンは前半6分、自陣でボールを奪われ、速攻から先制を許したが、後半38分にMFエヨング・エノーが同点ゴール。国際Aマッチ3試合ぶりの得点を記録したものの、3月3日のイタリア戦(0-0)、今月25日のグルジア戦(0-0)に続き、3試合連続の引き分けとなった。
カメルーンはFWサミュエル・エトーがベンチ外となり、欠場。システムは4-3-3で、GKスレイマヌ・ハミドゥ、4バックは右からオーレリアン・シェジュ、ニコラ・エンクル、セバスティアン・バソング、ベノワ・アス・エコット。中盤はアレクサンドル・ソングがアンカー、右前にジャン・マクン、左前にエヨング・エノーが入り、前線は右からヴァンサン・アブバカル、ピエール・ウェボ、アチール・エマナの3トップだった。
スロバキアは4-2-3-1で、GKドゥンシャ・クチャク、4バックは右からペテル・ペカリーク、マルティン・シュクルテル、ヤン・ジュリカ、マレク・チェフと並んだ。中盤はカミル・コプネクとユライ・クッカのダブルボランチで、2列目は右からミロスラフ・ストフ、ヤン・コザク、マレク・ハムシク。エリク・イェンドリシェクが1トップを務めた。
カメルーンは前半4分、左サイドバックのアス・エコットがオーバーラップからグラウンダーのクロスを送り、ウェボがゴール前で合わせたが、シュートはミートし切れず、ゴール右へ外れた。
アンカーのソングにボールを集め、攻撃を組み立てようとするカメルーンに対し、スロバキアは中盤で激しくプレッシャーをかける。前半6分には相手陣内でマクンからボールを奪うと、縦パスを受けたストフがPA内に切れ込んでから後方のコプネクに落とし、コプネクが右足でミドルシュート。これがゴール右上隅に吸い込まれ、スロバキアが先制した。
カメルーンは全体的に運動量が少なく、スロバキアの選手に対するプレッシャーが弱い。簡単にミドルシュートを打たれる場面も目立ち、前半8、14分にあったCKのピンチでも、ゴール前でスロバキアの選手をフリーにしてしまい、決定的なヘディングシュートを受けた。
相手のシュートミスに救われたカメルーン。前半20分過ぎには徐々に落ち着きを取り戻し、スロバキアのプレッシャーをかわしてボールをつなぎ出した。しかし、中盤での細かいパス交換からの中央突破を狙うシーンが多く、スロバキアの厚い壁に跳ね返される。前半27分、エノーがミドルシュートを狙うが、ゴール上へ。同30分にもエマナが強引に右足ミドルを放ち、DFに当たった跳ね返りを再びエマナがミドルシュート。強烈なシュートにGKは弾くのが精いっぱいだったが、ゴール前に詰めている選手がいなかった。
単調な攻撃が目立つカメルーンは前半44分、再び決定的なピンチを招く。守備が安定しない右サイドバックのシェジュが中盤でストフにボールを奪われ、ストフが素早く左サイドの裏のスペースに展開。コザクがフリーでゴール前にクロスを送ったが、精度を欠き、カメルーンは助けられた。
0-1で折り返したカメルーンはハーフタイムにマクンに代えてMFジョルジュ・マンジュクを投入。スロバキアは一気に3選手を交代し、コザク、ストフ、イェンドリシェクがベンチに下がり、MFドゥシャン・シュベント、監督の息子であるMFウラジミール・バイス、FWスタニスラフ・シェスタクがピッチに入った。2列目は右からバイス、ハムシク、シュベントに変わり、シェスタクが1トップに入った。
スロバキアは後半5分、絶好の追加点のチャンスをつくった。バイスのスルーパスにシェスタクが抜け出す決定機。カメルーンは両センターバックの間を完全に抜かれたが、シェスタクのシュートは惜しくもクロスバーに弾かれた。さらに同11分、中盤からドリブルで駆け上がるバイスに対しカメルーンのDFがまったくプレッシャーに行かず、またもシェスタクにスルーパスを通されたが、シェスタクのシュートはパワーがなく、GKが抑えた。
攻撃の糸口をつかめないカメルーンは後半22分に2選手を交代。右サイドバックのシェジュに代わってDFジェレミ・ヌジタップ、アブバカルに代わってMFマルセル・ヌジェングが入った。システムも4-4-2に変更。ソングとマンジュクのダブルボランチで、右にヌジェング、左にエノーが回り、ウェボとエマナの2トップにシフトした。
さらに後半28分、エマナに代えてFWドルジ・クエマハを投入。同30分、エノー、マンジュクとブロックの外側でパスを回し、ソングがミドルシュートを放つも、枠外に外れた。
ほぼ敵陣で試合を進める展開となったカメルーンは徐々に両サイドを使った攻撃も見せ始めるが、ゴール前でスロバキアのシュクルテルに跳ね返される。左サイドバックのアス・エコットが攻撃の起点となり、スロバキアの守備組織を揺さぶり、チャンスを待った。
そして後半38分、アス・エコットが左サイドからアーリークロスを上げると、スロバキアのDFがかぶってしまい、クリアミス。流れてきたボールをエノーが胸トラップし、飛び出してきたGKと交錯しながらも押し込み、ついに同点に追い付いた。
3月3日のイタリア戦、今月25日のグルジア戦と2試合連続スコアレスドローに終わっていたカメルーンにとっては3試合ぶりの得点。スロバキアのGKクチャクはこのプレーで負傷し、GKドゥシャン・ペルニシュに交代した。
一気に逆転ゴールを目指し、攻撃の圧力を強めたカメルーンだが、スロバキアも粘り強く守り、そのまま1-1で終了。試合内容は決して良くなかったが、なんとか引き分けに持ち込んだカメルーン。今後は6月1日にポルトガル、同5日にセルビアと強化試合を行い、同14日のグループリーグ初戦で日本と激突する。
(取材・文 西山紘平)
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日本が6月14日のグループリーグ初戦で対戦するカメルーンは29日、オーストリアのクラーゲンフルトでスロバキアと強化試合を行い、1-1で引き分けた。カメルーンは前半6分、自陣でボールを奪われ、速攻から先制を許したが、後半38分にMFエヨング・エノーが同点ゴール。国際Aマッチ3試合ぶりの得点を記録したものの、3月3日のイタリア戦(0-0)、今月25日のグルジア戦(0-0)に続き、3試合連続の引き分けとなった。
カメルーンはFWサミュエル・エトーがベンチ外となり、欠場。システムは4-3-3で、GKスレイマヌ・ハミドゥ、4バックは右からオーレリアン・シェジュ、ニコラ・エンクル、セバスティアン・バソング、ベノワ・アス・エコット。中盤はアレクサンドル・ソングがアンカー、右前にジャン・マクン、左前にエヨング・エノーが入り、前線は右からヴァンサン・アブバカル、ピエール・ウェボ、アチール・エマナの3トップだった。
スロバキアは4-2-3-1で、GKドゥンシャ・クチャク、4バックは右からペテル・ペカリーク、マルティン・シュクルテル、ヤン・ジュリカ、マレク・チェフと並んだ。中盤はカミル・コプネクとユライ・クッカのダブルボランチで、2列目は右からミロスラフ・ストフ、ヤン・コザク、マレク・ハムシク。エリク・イェンドリシェクが1トップを務めた。
カメルーンは前半4分、左サイドバックのアス・エコットがオーバーラップからグラウンダーのクロスを送り、ウェボがゴール前で合わせたが、シュートはミートし切れず、ゴール右へ外れた。
アンカーのソングにボールを集め、攻撃を組み立てようとするカメルーンに対し、スロバキアは中盤で激しくプレッシャーをかける。前半6分には相手陣内でマクンからボールを奪うと、縦パスを受けたストフがPA内に切れ込んでから後方のコプネクに落とし、コプネクが右足でミドルシュート。これがゴール右上隅に吸い込まれ、スロバキアが先制した。
カメルーンは全体的に運動量が少なく、スロバキアの選手に対するプレッシャーが弱い。簡単にミドルシュートを打たれる場面も目立ち、前半8、14分にあったCKのピンチでも、ゴール前でスロバキアの選手をフリーにしてしまい、決定的なヘディングシュートを受けた。
相手のシュートミスに救われたカメルーン。前半20分過ぎには徐々に落ち着きを取り戻し、スロバキアのプレッシャーをかわしてボールをつなぎ出した。しかし、中盤での細かいパス交換からの中央突破を狙うシーンが多く、スロバキアの厚い壁に跳ね返される。前半27分、エノーがミドルシュートを狙うが、ゴール上へ。同30分にもエマナが強引に右足ミドルを放ち、DFに当たった跳ね返りを再びエマナがミドルシュート。強烈なシュートにGKは弾くのが精いっぱいだったが、ゴール前に詰めている選手がいなかった。
単調な攻撃が目立つカメルーンは前半44分、再び決定的なピンチを招く。守備が安定しない右サイドバックのシェジュが中盤でストフにボールを奪われ、ストフが素早く左サイドの裏のスペースに展開。コザクがフリーでゴール前にクロスを送ったが、精度を欠き、カメルーンは助けられた。
0-1で折り返したカメルーンはハーフタイムにマクンに代えてMFジョルジュ・マンジュクを投入。スロバキアは一気に3選手を交代し、コザク、ストフ、イェンドリシェクがベンチに下がり、MFドゥシャン・シュベント、監督の息子であるMFウラジミール・バイス、FWスタニスラフ・シェスタクがピッチに入った。2列目は右からバイス、ハムシク、シュベントに変わり、シェスタクが1トップに入った。
スロバキアは後半5分、絶好の追加点のチャンスをつくった。バイスのスルーパスにシェスタクが抜け出す決定機。カメルーンは両センターバックの間を完全に抜かれたが、シェスタクのシュートは惜しくもクロスバーに弾かれた。さらに同11分、中盤からドリブルで駆け上がるバイスに対しカメルーンのDFがまったくプレッシャーに行かず、またもシェスタクにスルーパスを通されたが、シェスタクのシュートはパワーがなく、GKが抑えた。
攻撃の糸口をつかめないカメルーンは後半22分に2選手を交代。右サイドバックのシェジュに代わってDFジェレミ・ヌジタップ、アブバカルに代わってMFマルセル・ヌジェングが入った。システムも4-4-2に変更。ソングとマンジュクのダブルボランチで、右にヌジェング、左にエノーが回り、ウェボとエマナの2トップにシフトした。
さらに後半28分、エマナに代えてFWドルジ・クエマハを投入。同30分、エノー、マンジュクとブロックの外側でパスを回し、ソングがミドルシュートを放つも、枠外に外れた。
ほぼ敵陣で試合を進める展開となったカメルーンは徐々に両サイドを使った攻撃も見せ始めるが、ゴール前でスロバキアのシュクルテルに跳ね返される。左サイドバックのアス・エコットが攻撃の起点となり、スロバキアの守備組織を揺さぶり、チャンスを待った。
そして後半38分、アス・エコットが左サイドからアーリークロスを上げると、スロバキアのDFがかぶってしまい、クリアミス。流れてきたボールをエノーが胸トラップし、飛び出してきたGKと交錯しながらも押し込み、ついに同点に追い付いた。
3月3日のイタリア戦、今月25日のグルジア戦と2試合連続スコアレスドローに終わっていたカメルーンにとっては3試合ぶりの得点。スロバキアのGKクチャクはこのプレーで負傷し、GKドゥシャン・ペルニシュに交代した。
一気に逆転ゴールを目指し、攻撃の圧力を強めたカメルーンだが、スロバキアも粘り強く守り、そのまま1-1で終了。試合内容は決して良くなかったが、なんとか引き分けに持ち込んだカメルーン。今後は6月1日にポルトガル、同5日にセルビアと強化試合を行い、同14日のグループリーグ初戦で日本と激突する。
(取材・文 西山紘平)
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