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W杯監督インタビュー:パラグアイ代表ヘラルド・マルティーノ

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W杯出場チーム監督インタビューの第26回目は南米の古豪パラグアイを率いるヘラルド・マルティーノ監督。エースを突如失ったチームをどのように導くのか?

―今年1月、パラグアイ代表のエースFWサルバドール・カバニャスがメキシコ市のバーで頭部を銃撃されました。その後奇跡的に助かったものの、パラグアイ代表メンバーから外れてしまいましたが、このことがチーム全体の士気に影響を与えますか?
「カバニャスの傷は既に基本的には回復していますが、銃撃され大脳神経を傷めたため、記憶に大きな傷害が残っています。彼は銃撃された時の状況を思い出せません。彼は現在、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの病院でリハビリ治療を受けており、良好な回復を見せています。カバニャスは私に対し、W杯に参加したいと何度も意思表示をしてきましたが、負傷のため回復に長い期間が必要であり、現在もまだプレーできるまで回復していません。結局、彼は観客として南アフリカに行き、チームメイトを応援することになります。彼が必勝を堅持する精神的な力となり、代表メンバーを励まし、結果として試合では良い成績を挙げることができると、私は信じています」

―カバニャスが欠けた後、誰がパラグアイのエースFWとなりますか?
「彼の残念な欠場は、我々にとって大変大きな損失です。彼は我々代表チームの最前線で攻撃面する“兵器”なのです。一方で、今年3月、ドイツブンデスリーガのドルトムントでプレーしているルーカス・バリオス(父がアルゼンチン人、母がパラグアイ人)が、すでに移民手続きを完了しており、彼がチームに参加することで、カバニャスが欠けた後の空白をある程度補うことができると思います。バリオスが一日でも早くチームに溶け込み、我々のFWに強心剤を打ち込んでくれると思っています(バリオスはチームの主将にも任命されている)」

―5月16日、パラグアイ代表は北朝鮮代表と親善試合を行いましたが、パラグアイ代表は、ホームで1‐0。主力選手2名を欠いた北朝鮮を破りました。この親善試合はチームにとってどんな意味を持ちますか?
「北朝鮮代表がW杯に姿を見せることは少なく、我々は北朝鮮についてあまり知りませんが、試合の中で彼らが見せた頑強なディフェンスには非常に苦労させられました。あの試合ではウォーミングアップができましたが、パラグアイ代表の攻撃や戦術については更なる多様化をさせるべく、練習を積まなければなりません。北朝鮮代表との試合で積極的に攻めても得点をあげられないのであれば、パラグアイ代表はW杯ですぐに敗退してしまうでしょう」

―パラグアイ代表が振り分けられたグループには、前回大会の優勝チーム、イタリア代表が含まれていますが、これはパラグアイ代表にとって心理的に影響しますか? また、パラグアイ代表がグループリーグを突破する自信はありますか?
「前回大会の優勝チームと同じグループに振り分けられたことを非常に嬉しく思います。これでパラグアイサッカーへの注目度が高まるからです。また前回大会の優勝チームだからといって、我々が勝てる可能性が全くないわけではありません。南米地区予選で、パラグアイ代表は、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイというW杯の優勝経験を持つ3チームを次々と破っています。『4番目の世界チャンピオンに挑戦すること』を我々は恐れていません。ニュージーランドやスロバキアもまた非常に強いチームです。我々は自分の強みを発揮し、グループリーグを突破したいと思います」

―ご自身がアルゼンチン人である監督は、南米予選においてパラグアイ代表を好成績に導きました。逆に、アルゼンチン代表の予選リーグ突破までの道のりは非常に険しいものでした。アルゼンチン代表とパラグアイ代表の関係をどう見ていますか?
「パラグアイ代表は以前、ディフェンス中心の南米チームでしたが、私が監督に就任した後、チームの戦術を一部調整しました。現在のパラグアイ代表はディフェンスしかできないチームではありません。我々は予選でアルゼンチン代表をみごとに破ってW杯本大会出場の資格を勝ち取りました。しかし当然ながら、アルゼンチン代表もまた素晴らしいチームです。彼らは予選リーグでは苦戦を強いられていましたが、W杯の本大会では状況が全く異なります。ビッグマッチを多く経験しているアルゼンチン代表の方が、勝利を重ねて行くには有利だと思います」

(取材・文 馬徳興・傅亜雨?殘・・・・詞・・・洫

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