beacon

[FCWC]パチューカが2点のビハインドを覆し4点逆転勝利!!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.13 FCWC準々決勝 アルアハリ2(延長)4パチューカ 国立]

 FIFAクラブワールドカップの準々決勝が13日、東京・国立競技場で行われ、アルアハリ(アフリカ代表/エジプト)とパチューカ(北中米カリブ海代表/メキシコ)が対戦した。試合は、アルアハリが前半2得点と先制したが、パチューカも後半2得点を返す激しい内容となった。延長戦に突入すると勢いの衰えないパチューカのFWダミアン・アルバレス、FWクリスティアン・ヒネメスがゴールを叩き込み4-2で劇的な勝利をもぎ取った。この結果により北中米カリブ海代表のパチューカが17日、東京・国立競技場でリガ・デ・キト(南米代表/エクアドル)と準決勝を戦う挑戦権を得た。

 CAFチャンピオンズリーグ全14得点でアフリカ大陸を制覇し3度目のFCWC出場となったアルアハリは、トップにアンゴラ代表のストライカー・フラビオを、トップ下に「アフリカのジダン」ことFWモハメド・アブトレイカを置いた5-3-1-1の布陣。CAFチャンピオンズリーグで共に4得点を決める活躍を見せた注目度のある2人を前線に配し、攻撃力抜群のフォーメーションを組んだ。
 一方、2年連続2度目のFCWC出場となったパチューカは、3人のアルゼンチン人を前線に配した3-4-3の布陣。注目の選手は前線に置かれたアルゼンチントリオ。高い決定力を誇るストライカーFWブルノ・マリオニを頂点に、右には過去ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)で2度の世界王者に輝いたことのあるヒネメス、左にアルバレスを配した。

 試合は主導権の握り合いで、目の離せない展開となった。北中米カリブ海代表のパチューカは、シンプル且つ素早いパス回し、セットプレー等からアルアハリゴールに迫る。アフリカ代表のアルアハリも攻守の切り替えが早い組織的なサッカーを武器に、一進一退の攻防を見せた。
 試合を動かしたのは前半28分、DFラインが上がり気味だったパチューカの隙をついたアルアハリだった。中盤からDF裏のスペースに浮きパスが出ると、「アフリカのジダン」ことFWアブトレイカが抜け出し左サイドを独走。中に走り込んだFWフラビオに短めのパスを出すとフラビオとの間にいたパチューカのDFピントがクリア。そのボールは幸運にも枠の中へ転がり込み、アルアハリが1-0とリードに成功した。アルアハリは前半39分にもパチューカFKからボールを奪うと数本のパスでフラビオ、バラカトとボールを運び、あっという間にGKと1対1。GKの早い出足に阻止され、追加点のチャンスを潰された。そして終了間近の前半44分、アルアハリが流れるようなパスサッカーから加点に成功した。自陣から右サイドにパスが出ると抜け出したFWアブトレイカがPA右位置のFWバラカトに鮮やかなスルーパス。バラカトは中に走り込んだFWフラビオに送り、フリーとなったフラビオは落ち着いてダイレクトシュートを放ちゴール上に2点目を突き刺した。前半は2-0で折り返した。

 後半開始早々、今度はパチューカが反撃に出る。決めたのはCONCACAFチャンピオンズリーグ3得点で後半途中出場のMFルイス・モンテス。後半2分、右サイドでFKを得るとモンテスが鋭いクロスをゴール前に放り込む。ニアサイドに味方2人が飛び込むも届かず。しかしGKはそちらに注意をそらされ、FKがそのままゴールネットを揺らした。このゴールで1-2としたパチューカは、その後一気に攻勢を強める。前半15分、右サイドのMFパウル・アギラルがゴール前のFWマリオニに絶妙のパスを入れ絶好のチャンスを演出。しかし、マリオニはダイレクトでシュートを打つことを躊躇。その後マークに潰され決定機を逃してしまう。パチューカは、守備時にはDFラインが5枚と厚くなるアルアハリを攻略できない時間が続いた。
 しかし後半26分、パチューカは遂にゲームをふり出しに戻す。PA正面でFKを得ると、FWヒメネスが直接シュート。鋭い弾道のシュートはセービングに飛んだGKの手の先を抜けてゴール左隅に突き刺さった。2-2。試合はいよいよ分からなくなってきた。ゲームを決めにかかるパチューカは個人技と巧みなパス回しを武器に攻めたてた。前半40分、41分にはマニオリがDFのクリアミスからシュート。後半終了直前には左サイドからのクロスをMFホセ・マリア・カルデナスがヘディングシュート。しかしアルアハリDFも譲らず、2-2のまま90分を終え、試合は延長戦に突入した。
 昨年に続き初戦でアフリカ勢に負けるわけにいかないパチューカは、延長戦でも疲れを見せず運動量で勝った。前半8分、走り負けずにチェイスしPA外正面でボールをキープしたFWアルバレスがPA右位置のMFカルデナスにパスを送るとDFに潰される。しかし、そのこぼれ球を再度詰めたアルバレスがゴールに流し込み、まさかの大逆転劇を見せた。勢いの止まらないパチューカは更に、延長後半4分にもFWヒメネスがこの日2点目となるゴールを叩き込み、アフリカ大陸王者のアルアハリの息の根を完全に止めた。4-2で劇的な勝利をもぎ取ったパチューカは、この結果により17日、東京・国立競技場でリガ・デ・キト(南米代表/エクアドル)と準決勝を戦うこととなった。

<写真>逆転ゴールを決めるパチューカFWアルバレス
(取材・文 山口雄人)

TOP