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[戦評]アルアハリの組織力を消したパチューカの勝利は順当

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[12.13 クラブW杯(FCWC) アルアハリ2-4パチューカ 国立]

田村修一の「視点」

 パチューカ(北中米カリブ海代表/メキシコ)が、見事にアルアハリ(アフリカ代表/エジプト)のサッカーを封じこんだ試合になった。パチューカはアルアハリにスペースを与えず、アルアハリが三角形に整えたパスコースをしっかりと塞ぎ潰していた。しかし、前半アルアハリがカウンターから2ゴール。パチューカはそのアタックに対応できずに失点。アルアハリが3点目を決めていたら流れは変わっていたのかもしれないが、その後パチューカがアルアハリの素早いカウンターにも慣れてきてしっかりと対応ができるようになった。
 パチューカは後半セットプレーから2点を返して、これで完全に勢いをつけた。勢いがつくと個人技、特にドリブル突破とパスの繋ぎが非常に有効になった。アルアハリの守備をしっかりと引きつけてパスで散らす戦い方も精度がよくなり、当然のようにペースを握った。エジプト特有の組織サッカーの代表アルアハリは、その良さをパチューカに消された。パチューカは攻撃でもアルアハリの一枚上をうっていたし、特に個人の技のポテンシャルがアルアハリを凌駕していた。アルアハリは5-3-2という守備的なシステムだった割には、ポイントとなったセットプレーの時、壁の数が少なかったし、守備を少し軽んじてしまった印象がある。アルアハリならではのクオリティーの高い組織サッカーが出せずに終わった。内容に応じて、順当に結果が出たという印象がある対戦となった。
 次のリガ・デ・キト(南米代表/エクアドル)戦は、ラテンアメリカ同士の戦い。互いの良さの消し合いという意味も含めて、今日よりも噛み合ったゲームになると思う。

<写真>得点を挙げたFWヒメネス(19番)を中心に歓喜の輪ができる
(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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