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[FCWC]パチューカ、攻撃サッカーで鬼門・アフリカ勢を下す!!

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[12.13 FCWC準々決勝 アルアハリ2(延長)4パチューカ 国立]

 13日のFIFAクラブワールドカップ(FCWC)準々決勝で、パチューカ(北中米カリブ海代表/メキシコ)がアルアハリ(アフリカ代表/エジプト)を4-2の大逆転勝利で下し、初の初戦突破を決めた。
 これまで北中米カリブ海代表チームは、アフリカ代表クラブの前に辛酸を舐めてきた過去がある。07年準決勝、初出場のパチューカはエトワール・サヘル(アフリカ代表/チュニジア)に0-1で敗退。06年の3位決定戦では、北中米カリブ海代表のクラブ・アメリカ(メキシコ)がアハリ・スポーティング・クラブ(現アルアハリ)に1-2で敗退。北中米カリブ海代表チームにとってアフリカ代表クラブは、まさに"鬼門"だった。"二度ある事は三度ある"のか、それとも"三度目の正直"にするのか。この日の試合、パチューカはその忌まわしい過去を払拭するべく試合に臨んだ。
 終わって見れば4ゴールを量産する劇的な逆転勝利でアフリカ勢を凌駕していた。「今日は絶対に勝てると信じていたし、チームのみんながそう信じた信頼感が勝利を生んだ」。試合後、主将のGKミゲル・カレロはそう語り、チームの結束の強さを強調した。チームの勝利に多大な貢献をしたのはFWクリスティアン・ヒネメスだった。ヒメネスは、過去に所属していたボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)で2度の世界王者に輝いたキャリアを持つ27歳。大舞台での経験を生かし、この日も2得点と暴れまわった。後半26分、PA外位置正面からのFKで思い切りの良いシュートをゴール左隅に叩き込み、2-2と試合を振り出しに戻した。すると、チームは勢いを上昇気流に乗せ、パチューカは試合終盤の時間帯を完全に支配した。延長前半に入ってもチームの猛攻は止まらずMFルイス・モンテスのゴールで逆転に成功。そしてパチューカが3-2とリードしていた延長後半4分にも、ヒネメスはこの日2点目となるダメ押しのゴールでアフリカ代表・アルアハリの息の根を止めた。試合の大切な節目で自らゴールをあげ、北中米カリブ海代表としての実力を誇示して見せた。
 「パチューカは常に良いプレーを心掛けているし、力を温存するなどという考えはない。いつも真面目に懸命に戦ってきた努力が、今日は報われたのだ」。エンリケ・メサ監督は、この日の戦いぶりに自信を深めた。次の準決勝(17日・国立)は、リガ・デ・キト(南米代表/エクアドル)とのラテンアメリカ対決が待っている。中南米、南米とサッカーが盛んなエリアだけに、注目が集まる。この一戦に向けて、主将のカレロの志はあくまでも高い。「07年に初戦で敗北した経験は過去の歴史。新しいチャンスを掴むことができた今年、新しい歴史のスタートだ。このまま良い試合を皆さんに見せて、勝ち進み、歴史を作りたいと思う」。笑顔でそう語り、スタジアムを後にした。

(取材・文 山口雄人)

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