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[ACL]広島が首位撃破で初勝利。エース寿人が一撃!

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[3.30 ACL第4節 広島1-0アデレード・U 広島ビ]

 広島が首位撃破! ACLは30日、各地で第4節の1日目が行われ、H組のサンフレッチェ広島はホームで首位のアデレード・ユナイテッドと対戦した。3連敗とあとがない広島は、前半45分にFW佐藤寿人のゴールで先制。後半、相手に攻め込まれピンチも招いたが何とか守り切り、1-0で記念すべきACL初勝利をつかんだ。依然として厳しい状況ではあるが、GL突破に向けて望みをつないだ。

 前節のアウェー戦に続くアデレード・U戦との対決。広島は前節に退場したDFストヤノフのほか、右股関節に違和感を持つDF槙野智章と主力2人を欠いた。システムは3-6-1でGKは西川周作、3バックは森脇良太、中島浩司、横竹翔。中盤はボランチが森崎和幸と森崎浩司の双子コンビ、右MFは山岸智、左MFは服部公太、2列目に高柳一誠と山崎雅人が入った。1トップはお馴染み佐藤寿人が務めた。

 広島は勝たなければ山東魯能-浦項の結果次第でGL敗退が決まる一戦だった。序盤から持ち味の細かいパスをつないで攻めようとするが、新旧オーストラリア代表を複数そろえるアデレード・Uの前に、簡単には攻めきれない。やはり、高さ&フィジカルの強さに苦しみ、ボールを運べてもなかなかバイタルエリアは崩せなかった。

 開始9分、広島はカウンターから攻め込まれ、最後はFWファンダイクにPA内左からシュートを打たれる。何とかDFが詰めてジャストミートさせなかったため、ボールは力なくGK西川の正面へ。何とか失点は防いだ。

 広島はカウンターとミドルシュートに勝機を見出す。前半13分、左サイドを攻略し、PA手前で山崎→佐藤とつないで左足シュート。わずかに左に外れた。その1分後にはオーバーラップした森脇がシュート。相手にブロックされ、跳ね返りをもう一度シュートするが、オーストラリア代表GKユーゲン・ガレコビッチにセーブされた。

 ホームの利か、広島は敵地での前節よりもボールをつなぐ時間が増えていた。山岸&服部のサイドから、2列目の山崎&高柳が絡んで前へ運んだ。前半21分には高柳がミドルシュート。これは大きく枠を外した。さらに25分、山崎がミドルシュート。GKが弾いたこぼれ球をつなぎ、再び山崎がシュートを放つが枠を捕らえられなかった。

 前半28分、広島がビッグチャンスをつかんだ。佐藤がドリブルでPA内右を侵入して右足でクロス。これを高柳が頭で落とし、山崎がシュート。だが不運にもクロスバーに当ててしまった。その後、お互いにカウンターの応酬が続く。アデレード・Uも縦への速さを生かして広島を脅かす。一進一退の攻防が続く中、再び広島がビッグチャンスを作った。

 前半44分、山崎、佐藤のパス交換などで左サイドを攻略。中央へとパスをつなぎ、最後は右サイドから中へ入ってきた山岸がPA内右で強烈なシュート。しかし、これもGKにファインセーブされ、左CKに逃げられた。

 だが、このCKから待望の先制点を奪った。森崎浩のキックをニアサイドで中島が触り、最後はファーで待ち構えていた佐藤寿人がヘディングシュート! エースのACL初得点で1-0とリードをつかんだ。試合はそのまま前半が終了し、後半に突入した。

 後半も一進一退の攻防が続く。序盤はやや広島が優位に進めたため、アデレード・Uはしっかり守ってカウンターを狙うが、その迫力は満点だった。後半15分、広島はゴール前にボールを入れられ、競り負ける。必死でGK西川が食らいつくがキャッチできず、こぼれ球に。相手にシュートを打たれる前に何とか広島守備陣がクリアして事なきをえた。

 広島は17分、森脇が攻撃参加し、PA内右をドリブル突破。シュートを放つが、わずかに上に外してしまった。その後、アデレード・Uは縦パスを多用して圧力をかけてくる。セットプレーも迫力満点だったが、GK西川を中心に広島DF陣が何とか跳ね返していった。

 その後、アデレード・Uが地力を出し始め、攻め込まれるシーンが続いた。広島は特にパワープレーに苦労した。だが、後半25分、縦パスに佐藤が反応。快速を活かしてドリブルで突進した。PA内右で倒されたが、ファールはなし。再び、アデレード・Uがボールを支配し、広島は守る時間が続いた。

 後半29分、広島はカウンターから最後は山崎がPA左でドリブルで仕掛ける。たまらず相手DFが体を寄せると、山崎は転倒。だが、こちらもファールにはならなかった。

 後半31分、広島は高柳に代えて桑田慎一朗を投入。高柳と同じ2列目に入った。その1分後、広島は山崎が右サイド深い位置で倒されてFKをゲット。ショートFKから山岸がシュートを放つが力みすぎたのか空振り。そのままカウンターを食らった。

 依然と、アデレード・Uがフィジカルを活かして攻め込んでくる。後半32分、アデレード・Uは一気に、ポール・リードとファビアン・バービエロの2選手を投入(同13分に一人目を交代済み)。フレッシュな選手で同点を狙ってきた。後半35分、広島にピンチが訪れる。速い攻撃で左サイドを崩され中へクロス。ドッドが頭で合わせるが、わずかに上に外れた。

 広島は後半39分、佐藤に代えて李忠成を投入。体が強く馬力がある李には、前線の守備はもちろん、セットプレーの守備でも期待された。後半42分、広島はセットプレーとそのこぼれ球の攻防で攻め込まれるが、何とかはじき返した。

 その後、アデレード・Uがボールを支配し攻め込んでくる。広島も李を残して全員が引いて体を張って守る。それも後半44分、 PA中央をパスで崩され、最後はFWファンダイクに左足でシュートを打たれる。わずかに左に外れ事なきを得たが、ひやりとさせられた。ロスタイムは3分。広島は山崎に代えてFW丸谷拓也を投入。元気な選手をつかって、守り切る作戦を敢行。試合はそのまま1-0で広島が勝利。死闘を制してACL初勝利をつかんだ。

<写真>ゴールを決めたFW佐藤寿人
(文 近藤安弘)


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