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[ACL]レナチがゴールも、川崎F初の惨敗

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[5.5 ACL第5節 天津3-1川崎F 天津]

 5日、ACL第5節が行われ、グループH首位の川崎フロンターレは敵地で天津泰達(中国)と対戦。このゲームに勝てばグループH首位通過が決まる川崎Fだったが、既にグループリーグ敗退が決定している天津の激しい試合運びに苦しめられ、1-3で敗北。首位通過の決定はグループステージ最終節に持ち込まれた。

 主導権を握りあう激しい展開が続いた前半11分、川崎Fはいきなり失点を喫した。元イタリア代表MFトンマージのパスを受けたMFマ・レイレイが強烈な左足ミドルを振り抜くと、ゴール左隅へ一直線。GK川島永嗣は触りはしたが阻止出来ず、ボールはゴール左に突き刺さった。続く前半19分、川崎Fは追加点を奪われた。ライライがPA外位置正面でキープするとドリブルで左に流れ、DFの隙間から左足を振り抜いた。ボールはまたしてもGK川島の手の先を抜け左隅に転がり込んだ。ホームアドバンテージを活かした天津が一気に2-0とした。

 反撃に出た川崎Fだったが、中盤でなかなかボールが収まらず前線との連携もかみ合わない。持ち味であるFW陣の強みを出せない展開が続いた。また、相手のプレスがきつく、故意ともとれるような危険なタックルなどもあり、川崎Fはリズムを掴み切れずに前半を終えた。

 後半開始とともに関塚隆監督はMF田坂祐介にかえレナチーニョを投入。そしてこの采配がピタリとはまった。ジュニーニョ、レナチーニョのシュートがともにポストに嫌われた直後の後半6分、天津との第1戦で自身初のヘディングゴールを決めたレナチーニョが、再び同じ相手からヘディングでゴールを奪った。FW鄭大世が苦し紛れに右サイドのDF森勇介に出すと、森はすかさずクロス。これ以上はないというタイミングで合わせたレナチーニョが頭で1点を返した。同22分にも中村憲剛のリスタートからジュニーニョを経由し、レナチーニョがスライディングシュート。これはGKが手でかき出した。

 天津は前半の攻め疲れからか、後半30分前には運動量が落ち選手を入れ替えた。しかし、川崎Fも持ち前のアタッキングサッカーで天津ゴールを強襲。同32分、MFヴィトール・ジュニオールにかえてMF横山知伸を投入。それまでは4-4-2だったが、横山をアンカーに入れ、ダブルボランチに入っていた中村憲、谷口博之を一列前にあげた。そしてトップは鄭大世、左右にジュニーニョ、レナチーニョが構える攻撃的な布陣に切り替え、同点弾を狙いに出た。川崎Fは再三チャンスは作るものの、なかなか決定的な形でフィニッシュが出来ない。

 後半41分には、主審の判定を巡って両チームがもみ合いになり、スタジアムは異様な雰囲気に包まれた。ここまで出されたイエローカードは両チーム合わせて9枚。試合は荒れに荒れた。小競り合いによる中断が多かったためロスタイムは6分も設けられたが、そのロスタイムにトンマージの個人突破にDF寺田周平、井川祐輔が翻弄されダメ押しとなる3点目を決められ、川崎Fはここで力尽きた。

 1-3。勝てば首位突破が決まっていただけに悔しい敗戦。川崎Fは今年のACLで初の敗北となった。19日の最終節は、浦項スティーラーズ(韓国)と対戦する。

(文 山口雄人)

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