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控え組が躍動、J1残留目指すF東京が「確信」つかむ快勝

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[11.17 天皇杯4回戦 F東京2-0千葉 味スタ]

 残留争いに弾みを付ける快勝だ。14日のJリーグ横浜FM戦(2-1)から先発8人を入れ替えたFC東京はMF大竹洋平が2得点と活躍し、チームを8強入りに導いた。

 うっ憤をピッチでぶつけた。10月11日の天皇杯3回戦・北九州戦(2-0)以来、公式戦6試合ぶりの先発とはいえ、リーグ戦では8月28日の神戸戦(0-0)を最後に先発の機会がない。

 「ずっとやれる自信はあった。こういうところで結果を出すことで、リーグ戦にもつながると思っていた」

 後半6分、MFソ・ヨンドクの左サイドからのクロスに体ごと飛び込み、左足で先制点。同14分にもMF田邉草民のマイナスの折り返しに右足で合わせ、電光石火の連続ゴールで試合を決定付けた。

 今夏に獲得したFW前田俊介、ソ・ヨンドクはともに公式戦初先発。前田は前線でタメをつくって攻撃のリズムを生み、先制アシストのソ・ヨンドクは2点目の起点もになった。

 「メンバーが替わっても、同じサッカーをチームとしてやれたのはうれしかったし、感動した」と控え組の奮闘を喜んだ大熊清監督は「前田もそこそこ前で時間をつくれたし、重松も(体力が)もたないかなというところで踏ん張りがきいたり、新しい発見もあった。松下のボランチも、90分間落ちずに攻守に運動量があった。練習試合とは違うシビアなゲームで確信を得られた」と手放しで称賛した。

 「監督が替わって、練習量は増えたし、僕らは(リーグ戦に)出ている選手より厳しい練習をしている」と大竹は胸を張る。この日は「1年目以来、なかった」というフル出場。それでも、最後まで運動量は落ちなかった。「僕だけでなく、みんな落ちなかった。厳しい練習を続けてきてよかったと思うし、試合に出られていなくても自分が成長できていると感じた」と力を込めた。

 熾烈な残留争いが続くリーグ戦に向け、主力選手の休養と同時に、控え選手の試合勘と自信を高め、選手層を厚くすることにも成功した。一石二鳥とも三鳥とも言える文句なしの快勝だった。

 リーグ戦は20日に川崎F戦、23日に名古屋戦と上位陣との対戦が続く。「厳しい試合になると思うけど、大事な試合なので、自分もチームの力になれるように頑張っていきたい」と大竹。公式戦5試合負けなし(3勝2分)と上昇気流に乗るF東京が、これ以上ない収穫を手にJ1残留へ突き進む。

[写真]得点を決めた大竹にチームメイトが駆け寄る

(取材・文 西山紘平)

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