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Jを目指せ! by 木次成夫

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第53回 全国地域リーグ決勝大会特別編「決勝ラウンド」最終日
by 木次成夫

2戦目(12月1日)を終えた時点での順位は、以下の通りでした。

1位=FC Mi-OびわこKusatsu(勝ち点4)=1勝1PK敗=得失点差+1
2位=バンディオンセ神戸(同4)=2PK勝=同+-0
3位=ファジアーノ岡山(同3)=1PK勝1PK敗=同+-0
4位=ニューウェーブ北九州(同1)=1PK敗1敗=同-1

実は昨日、Mi-Oは「3位以内確定」と勘違いしていました。正しくは、「ファジアーノに1点差の敗退なら、3位以内確定」でした。

12月2日
[第1試合]
ファジアーノ 1-0 Mi-O

試合開始早々の2分、MF弦巻健人(20歳、前・東京V=レンタル)のパスで抜け出したFWジェフェルソン(27歳、元横浜FCなど)がシュート。Mi-Oからすれば、あまりに“あっけない失点”でした。ファジアーノが追加点を奪えば、Mi-Oは最下位もありえる状況でしたが、その後は拮抗した試合展開になり、1-0のまま試合終了。シュート数はファジアーノ9本に対して、Mi-O8本。ファジアーノはジェフェルソンを基点にした攻撃が目だったのに対して、Mi-Oは最後までパスをつないで形を作ろうとした点が印象的でした。

この結果、ファジアーノは勝ち点6(得失点差+1)。第2試合の結果を待たずに2位以内(JFL自動昇格)、Mi-Oは3位以内が確定しました。


[第2試合]
ニューウェーブ北九州 2-0 バンディオンセ神戸

バンディはPK敗でも2位が確定するのに対して、NWは1点差の勝利なら3位、2点差以上の勝利なら2位という状況でした。つまり、バンディが有利だったのですが……。

バンディは2戦目のファジアーノ戦で負傷したGK近藤祐輔(21歳、前・草津)の代わりに西川充(21歳、前・九州総合スポーツカレッジ)が起用された以外は、同じ布陣でした。対するNWはMF水越潤(32歳、前・TDK)に代えて古賀宗樹(23歳、前・阪南大学)が起用された以外は、2戦目のMi-O戦と同じ。共に11人中10人が3戦連続のスタメンでした。ベテランが軸になっているチームどうしゆえ、まず、懸念したのは疲労です。

試合は対照的な展開になりました。NW選手の動きが良かったのに対して、バンディ選手はイマイチ。NWは左SB小野信義(33歳)、FW藤吉信次(37歳)らベテランの積極的な動きに呼応して、右MFの古賀、左MFの森本惟人(25歳、前・アルエット熊本)が臨機応変にポジションチェンジするなど、3日目にして最高のプレー。「ベテランが引っ張らなければと思って、開き直ってプレーしました」(藤吉)。

一方のバンディは、「定石通り」のパスワークで攻撃を組み立てようとするものの、“抜けない”、“かわせない”――。そして……バンディの失点は、ベンチ裏のチーム関係者から「出足が遅いぞ!」という声が聞こえた直後でした。

前半21分=NW CBのドグラスがCKから“こぼれた”ボールをゴール至近距離からヘディングシュート。

前半35分=NW 中盤での攻防が続く中、森本惟人がペナルティエリア外からループシュート。前に出ていたバンディGKは、対応できず。

その後、バンディは闘志溢れるプレーを最後まで見せましたが、結果的にシュート2本(NWは9本)。直接FKは27回(NWは16回)あったものの……エースFW西村完爾(29歳、前・セントラル神戸)がケガで決勝ラウンドを欠場したことが最後まで響きました。

最終結果は
1位=ファジアーノ(勝ち点6)=1勝1PK勝1PK敗
2位=ニューウェーブ(同4)=1勝1PK敗1敗=得失点差+1
3位=Mi-O(同4)=1勝1PK敗1敗=得失点差+-0
4位=バンディオンセ(同4)=2PK勝1敗-2

ファジアーノとニューウェーブはJFL自動昇格。3位のMi-Oは、J2昇格が2チームなら自動昇格、J2昇格が1チームならアルテ高崎との「入れ替え戦」突入。12月3日のJリーグ理事会で「J2昇格」の答えが出ます。JFL3位のFC岐阜の経営状況がいかに好転しているか、そして、岐阜の状況をJリーグがどう評価するか……。

追記

3日のJリーグ理事会で、ロッソ熊本とFC岐阜のJリーグ「入会」が承認されたため、Mi-OのJFL自動昇格が決定しました。



<写真説明>12月2日 歓喜するファジアーノ・ファン

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