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Jを目指せ! by 木次成夫

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第101回「全国社会人選手権“特別編”PART2」
by 木次成夫

[10月19日 全社2回戦]
松本山雅 2-1 tonan前橋
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 山雅は1回戦のスタメンから5人を代えたものの、天皇杯3回戦の湘南戦で活躍したFW柿本倫明、MF今井昌太、MF大西康平はベンチスタート。今大会、最大の問題は全国地域リーグ決勝大会出場権を取れるか否か。つまり、2回戦にベストの布陣で臨んで勝っても、3回戦で敗れれば、大して意味がないわけです。とはいえ――。

 決勝までの5連戦を意識しての采配だということは理解できるが、ここで敗れたら、悔いが残る起用ではないだろうか……。tonanは、簡単に勝てる相手ではないのでは? 柿本ら3人の疲労を考慮して、後半に勝負をかけるということだろうか……

 様々なことを考えてしまいました。

<スタメン>
*印は12日天皇杯スタメン
+印は1回戦スタメン

GK原 裕晃(*+)
右SB 金澤慶一(+)
CB矢畑智裕(*)
CB三本菅 崇(*+)
左SB阿部琢久哉(*+)
右MF小澤修一(+)
ボランチ高沢尚利(+)
ボランチ川田和宏(*)
左MF阿部 孝
FW竹内 優(*)
FW鈴木亮平(*)

 結果は、吉澤監督の采配“大当たり”。山雅は序盤から”やや“優勢に試合を進めたものの、セットプレーから失点。しかし、ハームタイムに高沢と阿部孝に代えて、今井と柿本と投入すると、状況が好転し、逆転。改めて、今井と柿本の凄さを実感したほどです。

<得点経過>
●34分 0-1(tonan)氏家英行
※ショート・コーナーから森田真吾がクロス→ヘッド 。山雅に“ありがちな”あっけない失点

●47分 1-1(山雅)小澤修一
※左サイドで相手DFを背にボールをキープした後、内に反転切れ込む形で“かわし”、右足でゴール右上隅へ“技あり”シュート

●54分 2-1(山雅)竹内優
※阿部琢久哉が素早いリスタートで前方フィード→竹内はスピードで相手DFをかわして、ドリブルで内に切れ込み、左足シュート

 その後、山雅は何度か決定的ピンチに陥りましたが、守備陣の粘りで辛勝。56分に小澤と交代で出場した大西も、天皇杯の疲労から回復しつつあることを感じさせるプレーを披露。

 tonanは最後まで“つなぐ”スタイルで粘りましたが……、1回戦の疲労に加え、山雅攻撃陣の再三のアタックがボディ・ブローのように効き、対応しきれないシーンが何回かあったという印象です。

 ちなみに山雅の決勝点をあげた竹内は試合後、自嘲気味に「自分で自分の首をしめたという感じです。あまりにシュートが入らないので、自分に、あきれました」。シュート6本で1点。確かに、一見して、もう2-3点入ってもおかしくないほど、決定的シーンに“いました”。とはいえ、サイドアタッカーからトップにコンバートされた今季当初と比べると、“慣れ”は明らか。今後、チーム浮沈のカギを握っている1人といっても過言ではないと思います。

<他の試合結果>
ホンダロック 1-0(延長)Y.S.C.C

ヴォルカ鹿児島 0-0(PK7-6)FC京都BAMB1993

FC秋田カンビアーレ 2-3 佐川急便中国SC

クラブ・ドラゴンズ 1-4 AC長野パルセイロ

V・ファーレン長崎 0-0(PK4-1)ASラランジャ京都

NECトーキン 3-0 浜松大学FC

ジャパン・サッカー・カレッジ 5-1 東邦チタニウム


<3回戦(20日)対戦カード>

ホンダロック対ヴォルカ鹿児島

佐川急便中国対長野パルセイロ

V・ファーレン長崎対NECトーキン

ジャパンSC対松本山雅

 ジャパンSC(北信越リーグ2位)と山雅は今季リーグで1勝1敗。宇野澤祐次(25歳=今季加入、前・福岡)ら攻撃陣が好調とはいえ、山雅とは対照的に今大会2試合を“ほぼ”固定メンバーで戦ったため、疲労が懸念されます。その一方で、山雅はチーム全体が上り調子とはいえ、「天皇杯のダメージは肉体的にも精神的に大きい」(吉澤監督)。湘南に勝つ大快挙の後に“精神的に”というのは、“気持ちの切り替えがしにくい”ということでしょう。

「朝起きてから、選手の表情などを見て、メンバーを決めています」という吉澤監督の采配に注目です。

<写真説明>山雅の決勝点をあげた竹内優(24歳=2年目、前・駒澤大学)


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