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Jを目指せ! by 木次成夫

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第110回「全国地域リーグ決勝大会“特別”編 一次ラウンド1日目(B組)」
by 木次成夫

カマタマーレ讃岐 2-0 日立栃木UVA(ウーヴァ)SC

 四国リーグを2シーズンぶりに制したカマタマーレにとって、高知が開催地になったことは幸いです。クラブの本拠、香川県高松市から試合会場の高知市春野までは、自動車で1時間半程度。クラブからすれば、遠征経費が安くすみますし、選手のコンディション調整も相対的に容易です。

 対するUVA(ウーヴァ)は関東リーグ1部2位(優勝は町田ゼルビア)。ボランチの前田和也(24歳、前・山形)、187cmのCB栗原英明(28歳、前・作新学院大学)らを中心した堅固な守備からの素早い展開が持ち味。どちらかというと、小さくまとまったポゼッション・サッカーのカマタマーレにとっては、苦手なタイプだという印象が、ありました。

カマタマーレ<スタメン>
4-4-2
GK、堀之内健介(25歳、前アルテ高崎)
右SB、土岐勇人=主将(25歳、前・高知大学)
CB泉谷光紀(25歳、前・愛媛FC)
CB相原 央(24歳、前・静岡産業大学)
左SB、小林雄太(24歳、前バンディオンセ神戸)
右MF森田栄治(24歳、前・東海大学)
ボランチ吉澤佑哉(22歳、前・鹿島)
ボランチ下平智久(23歳、前NBU VALENTE2007)
左MF岡本竜之介(24歳、前・徳島)
FW岩館侑哉(23歳、前・水戸)
FW脇坂仁智(24歳、前・鹿屋体育大学)
<交代>
61分 小林→尾上勇也(23歳、前・徳島)
73分 森田→綱田大志(24歳、前・鹿屋体育大)
87分 岩館→谷口祐樹(22歳、前・天理大)

<得点経過>
41分 1-0 岩館
右から土岐がサイドチェンジ・パス→岡本が左からクロス→ゴール前、岩館が右足ダイレクト。

79分 2-0 脇坂
CK→下平→脇坂ヘッド。

 試合は序盤から拮抗した展開になりました。カマタマーレは“つなぐ”サッカーを志向しつつも、単純なハイボールを跳ね返されるシーンが散見。ただ、ウーヴァは、ボールを奪った後の”攻撃の形“は、ほぼ個人能力まかせ。そんな中、カマタマーレの先制点は、両サイドから“ゆさぶり”をかけて崩した点で、稀に見る“教科書通り”でした。

 その後、カマタマーレは“ほぼ”危なげなく試合を進めて、快勝。試合を通してみれば、相手の激しい“寄せ”にも動じずに、自分たちのサッカーができた点などに、チームとしての“熟成”を感じました。

 全体的として“まとまり”がある上に、コストパフォーマンスが良い(相対的に低予算で好チーム)点は、強引な“たとえ”ではなく、さながら「讃岐うどん」。羽中田監督は、”愛称の良い”卵。結果として、良く“からんだ”カマタマ完成(まだまだ“うまくなる”発展途上)という感じです。
V・ファーレン長崎 4-0 アイン食品

 九州リーグ2位対関西リーグ2位の対決ながら、V・ファーレンが圧勝しました。ベストの布陣が揃った上に、コンディションも上々。中でも、右MF大塚和征(26歳、前アビスパ福岡)のキレ味鋭い突破は際立っていました。

V・ファーレン<スタメン>
4-4-2
GK近藤健一(25歳、前FC東京)
右SB隅田 航(20歳、京都サンガ)
CB加藤寿一(27歳、前・三菱水島FC)
CB伝庄 優(24歳、前・道都大学)
左SB田上 渉(26歳、前・大阪商業大学←国見高校)
右MF、大塚和征
ボランチ、原田武男(37歳、前アビスパ、国見高校出身、元・日本代表)
左MF、竹村栄哉(34歳、前サガン鳥栖)
トップ下、川崎元気(29歳、前バンディ)
FW有光亮太(27歳、前アビスパ)
FW福嶋 洋(26歳、前アビスパ)
<交代>
33分、川崎→幸野屋敏行(20歳、前アイン食品)
33分、原田→山形恭平(27歳、前アビスパ)
55分、有光→阿部博一(23歳、前・道都大)

<得点>
2分、1-0 川崎
福嶋が相手守備陣に“寄せ”られながらも、絶妙のパス→川崎が右足ダイレクト

26分、2-0 川崎
CK=原田→相手クリア→川崎、再び、右足ダイレクト

29分 3-0 有光
右サイドFK=大塚が隅田に“つなぎ”→素早くグラウンダー・パス→有光が二アサイドから右足ダイレクト

41分 4-0 福嶋
山形が右に流し、大塚がドリブルからクロス→福嶋ヘディング

 4点とも素晴らしいゴールでした。しかしながら、主将の原田いわく「後味が悪い勝利」。後半、守勢に回った時間帯もあった上に、隅田が試合終盤に相手タックルを受けて負傷した点などを危惧しているのだと思います。

 確かに――。連戦を考慮すれば、選手交代を積極的にするのは常套策ですが、負傷は想定外だったでしょう。どの程度の負傷かは不明ですが……。

 ところで、この試合、印象的だったことのひとつは、V・ファーレンの応援でした。決勝ラウンド開催地が石垣島ゆえか、松田聖子の「青い珊瑚礁」の“サビを”合唱。ユニフォームが青ベースな点も、“……走れ! あの島へ”という歌詞にピッタリだと思いました。


以下、他組の結果。
A組 
長野パルセイロ 2-2(PK4-2)ホンダロック
沖縄かりゆしFC 1-1(PK4-3)バンディオンセ加古川

C組
レノファ山口 2-1 静岡FC
グルージャ盛岡 2-3 松本山雅FC

D組
町田ゼルビア 7-0 佐川急便中国
矢崎バレンテ 2-0 ノルブリッツ北海道

<写真>試合後のカマタマーレ讃岐、羽中田昌監督

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