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W杯32チームの法則 by 宝田雅樹

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[W杯参加204ヵ国編]204日連続企画(49) カメルーン(CAF) 【注】悲劇の後に歓喜あり
by 宝田雅樹

カメルーン(CAF)
W杯予選参加回数 10回
W杯本大会出場回数 5回
最高成績 ベスト8(90年)
W杯戦績(本大会含む) 76戦39勝20分17敗
首都ヤウンデ
FIFA加盟1962年
FIFAランク14位(6/13現在)
 大西洋とギニア湾に面したアフリカ中部の国で、代表チームは「不屈のライオン」の愛称を持つ。英国とフランスの植民地に分かれていた経緯がある。1960年に仏領カメルーンが独立。
 W杯出場がアフリカ最多の5度と、同地域屈指の強豪国。90年イタリアW杯では英雄ロジェ・ミラを擁し、アフリカ勢初のベスト8進出を果たした。現在でもアフリカ最優秀選手に3年連続で選ばれたこともあるサミュエル・エトーという突出したタレントも抱えている。ブラック・アフリカ特有の圧倒的な身体能力をベースに攻撃に重心を置いた魅力的なサッカーが持ち味。

【注】悲劇の後に歓喜あり
 90年イタリアW杯から02年日韓W杯までは4大会連続で本大会出場を果たしていたが、前回の06年ドイツW杯はアフリカ最終予選で劇的な敗退。最終節のエジプト戦で試合終了直前に、決めればW杯出場、外せば予選敗退というとんでもないPKを獲得。結局ウォメが外し、W杯予選3大悲劇のひとつ「ヤウンデの悲劇」と呼ばれる予選敗退となったが、あんなPKは蹴ってはいけない。外すようにできているので、断るに限る。
 しかし、ここだけの話、他の3大悲劇を経験したフランスと日本は悲劇の次のW杯で歓喜に包まれている。94年米国W杯予選で「パリの悲劇」を経験したフランスは次大会の自国開催98年W杯で悲願の初優勝を遂げ、同じく94年W杯予選で「ドーハの悲劇」を経験した日本は次大会の98年フランスW杯で悲願の初出場を遂げている。この法則で行くと、10年南アフリカW杯ではカメルーンがまさかの初優勝を遂げるというのもあながち無い話ではないだろうか?アフリカ開催も手伝って、ひょっとするとひょっとするかも。

ジンクス・データ
 W杯予選には10度参加し、5度突破。激戦区アフリカ予選において突破率5割を誇っている。アフリカ随一の経験と実績があり、同地域においてのW杯最高記録をほとんど有している。アジアでいえば韓国のような存在だ。W杯出場回数5度、W杯連続出場回数4度、最高成績ベスト8、本大会勝利数4勝、本大会試合数17試合など。
 アフリカ勢における予選の勝率は.593と、南アフリカに次いで2位。南アフリカの試合数がカメルーンの半数なのを加味すれば、実質のアフリカNo.1はカメルーンと言っても過言では無いだろう。

天敵
 W杯アフリカ予選では19ヵ国と対戦。そのうち負け越しているのはナイジェリア、コンゴ、エジプトの3ヵ国だけ。むしろカメルーンの天敵はアフリカ外にいる。ロシア(ソ連時代も含む)とはW杯本大会のGLで2度対戦。0-4、1-6と大敗を繰り返した。ブラジルやイタリアに対して3点差負けというのはあるが、ロシアに対する大敗癖だけは説明が付かない。

カモ
 トーゴとはW杯予選4戦全勝と相性が良い。全ての対戦で2得点以上奪っている。

因縁
 W杯アフリカ予選ではコンゴ民主共和国との対戦が最多。通算戦績は7戦3勝1分3敗と五分。実績に勝るカメルーンから見れば、コンゴ民主共和国は嫌な相手だろう。
 政治的には旧宗主国である英国、フランスとの関係が深い。特に後者との結び付きが強く、03年にフランスで行われたコンフェデレーションズカップでは決勝で対戦したこともある。

カメルーン=パラメータ(100点満点)
攻撃力  84
守備力  57
タレント 85
経験   75
身体能力 95

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(ジンクス担当 宝田雅樹)

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