[4.11 J1第5節 横浜FM5-0神戸 ニッパ球]

　大卒No.1ルーキーの呼び声高い横浜F・マリノスFW渡邉千真がゴール連発で、チームに初勝利を呼び込んだ。

　「とにかくホッとしています。自分の得点で勝てたのは嬉しい。ファンの期待に応えることができた」。渡邉はプロ入り初勝利の喜びを噛みしめた。ゲームを動かしたのは前半2分。DF松田直樹がPAにフィードするとMF兵藤慎剛が右のスペースへ。そこに飛び込んだ渡邉が思い切り右足を振り抜いた。
　圧巻だったのは、2点目のゴールだった。同21分、右サイドのDF金根煥がPAに浮き球パスを送ると猛ダッシュ。渡邉は元日本代表DF宮本恒靖の激しいマンマークにも全く動じず、宮本を弾き飛ばさんばかりの力強いランニングで一直線にボールに向かった。宮本よりも半歩早く追いつくと、またも右足で、今度は技ありのふんわりループを流し込んだ。
　素晴らしいボディバランスで、あっさりと宮本に競り勝った渡邉は試合後、喜ぶどころか反省点を口にした。「決めたのは良かったが、まだまだ今日で4点目。あの後も決定的なシーンが2度あったが決められなかった。反省しています」。プロ入り5戦目ですでに4得点を決めている新卒ルーキーは、今季どこまでいくのだろうか。楽しみだ。

(取材・文 山口雄人)