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[高校選手権]J2岡山内定の広島観音・竹内は肉離れでフル出場も涙

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[1.5 高校選手権準々決勝 広島観音1-2矢板中央 駒場]

 エースとしてふがいない思いでいっぱいだった。自分が点を取っていれば-。広島観音(広島)のエースで、J2ファジアーノ岡山に内定しているFW竹内翼(3年)は負傷を押して出場したが、シュート0本に終わり悔し涙を流した。

 「悔しいです。前へ前へと行こうとしたけど、なかなかできなかった。DFラインの裏を狙ったけど・・・。右太もも? 痛みはあったけど関係ないです」

 3回戦の尚志(福島)戦で、右太ももの内側を痛めていた。トレーナーの診断では軽い肉離れだった。それでも、スタメンのピッチに立った。前夜のミーティングで、チームメートが自分の必要性を説いてくれた。エースとして、仲間のためにも頑張りたかった。痛み止めの薬も飲まずに奮闘した。

 持ち味のスピードを活かそうと、必死にDFラインの裏を狙った。しかし、思うように走れない。パスも合わない・・・。矢板中央(栃木)のDF鈴木集(3年)の激しいマークに苦しんだ。竹内は「調子が悪くても、みんなが信じてつかってくれた。チームのみんなに申し訳ないです」とうつむいた。

 この日はシュートはなかったが、存在感をみせたのは確かだ。スピード、キレは今大会でも屈指のストライカーだった。さすがは“Jリーガー”の片鱗は見せた。畑監督も「きょうは本調子ではなかったが、気持ちのところで引っ張ってくれた」とエースをたたえた。

 春からはJの舞台で戦う。今大会を終えて竹内は「前に行くプレーはできたと思うけど、判断の重要性を感じました。自分でいくのか、周りを使うのか、判断のスピードが遅かった」と課題を見つけた。この大会で経験したことは、すべて次につなげる。今後はキャンプや練習の中で成長し、岡山をJ1に上げるのが目標だ。

 くしくも、名前の『翼』は、サッカー漫画「キャプテン翼」の主人公、大空翼に由来する。翼くんも負けて成長し、バルセロナで活躍するような選手に成長した。竹内も“本家の翼くん”に負けじと成長し、日本を代表する選手を目指す。

<写真>無得点に終わった広島観音FW竹内
(取材・文 近藤安弘)

特設:高校サッカー選手権2009

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