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[高校選手権]どこからでも点取る!初出場・山梨学院が4強入り

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 ルーテル学院0-1山梨学院大付 駒場]

 初出場の山梨学院大付(山梨)がDF藤巻謙(3年)の決勝点でルーテル学院(熊本)を1-0で振り切り、4強入りを決めた。山梨県勢としても83年度大会の韮崎以来、26年ぶりの準決勝進出。当時、韮崎を率いていた横森巧監督は「はるか昔の話で、自分も忘れちゃったけど、ここまで来るのがいかに大変かを痛感しているし、生徒の頑張りだと思う」と感慨深げだった。

 3戦連発5得点のルーテル学院のエース、FW山本大貴主将(3年)を封じ込めた。許したシュート4本のうち、3本は山本に打たれたが、ほとんど決定的な形はなく、空中戦でもDF関篤志(2年)、DF中田寛人(3年)の両センターバックが粘り強く対応した。

 MF碓井鉄平主将(3年)を中心にパスをつないで打開を図る山梨学院は2トップのFW伊東拓弥(3年)、FW佐野敬祐(3年)もうまくボールを引き出し、試合の主導権を握った。

 0-0で折り返した後半5分にはMF鈴木峻太(3年)の横パスに走り込んだ左サイドバックの藤巻が左足ダイレクトで思い切りよく振り抜き、先制点。約25mの距離からの弾丸ミドルに「シュートしか考えてなかった。正直、入るとは思わなかったけど、GKの手に当たって入ってよかった」とはにかみ、敵将の小野秀二郎監督も「計算を度外視したシュートを決められた」と脱帽だった。

 反撃に出るルーテル学院は後半32分、MF城天平(2年)のパスから山本がシュートを狙うが、枠を捉え切れない。終盤のCKのチャンスではGK市原拓巳(3年)も相手ゴール前まで上がって同点ゴールを目指したが、山梨学院の堅い守りを破れなかった。

 ここまで8得点を挙げている山梨学院だが、2得点のMF碓井を除けば、6人(FW伊東、FW佐野、MF平塚拓真、DF関、DF中田、DF藤巻)が1点ずつ決めている。碓井の1点もMF鈴木が獲得したPKで、どこからでも点が取れるのがチームの強みだ。

 本来はエースのU-18日本代表候補FW加部未蘭(2年)は右足甲の疲労骨折が完治せず、途中出場が続いている。普通ならチーム力がダウンしそうなものだが、山梨学院にはその穴を補って余りある組織力とタレントの豊富さがある。9日の準決勝の相手は矢板中央(栃木)。次はだれが点を取るのか。そんな期待感さえ感じさせる。

<写真>後半5分、先制点を決めた山梨学院大付DF藤巻謙(右)がチームメイトと抱き合う

(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

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