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[高校選手権]「守り勝った」青森山田、神村学園に4発リベンジ

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[1.5 第88回全国高校選手権準々決勝 青森山田 4-0 神村学園 市原臨海]

 第88回全国高校サッカー選手権は5日、準々決勝を行い、4強が決まった。優勝候補同士の一戦となった青森山田(青森)対神村学園(鹿児島)は青森山田が4-0で快勝。00年以来9年ぶりのベスト4進出を果たした青森山田は、9日の準決勝(国立)で関大一(大阪)と戦う。
 
 2回戦で実に34年ぶり(首都圏開催では初)となる2ケタ得点をマークした神村学園の強力攻撃陣も巧者・青森山田には通じなかった。「いい守備ができればいい攻撃ができる。中盤をコンパクトに保ち、いい守備ができた」と青森山田・黒田剛監督。堅守からの鋭い攻撃で相手を混乱させ、大一番で大量得点をもぎ取った。

 ドリブル主体の、独特のボール運びをする神村学園の攻撃に対し、アプローチにいった選手が剥がされる場面があった。前を塞がれていても構わず仕掛けてくるMF福野あさと(3年)やMF小谷健悟(2年)らに手こずった。それでも中盤の底の位置でバランスをとるU-18日本代表候補MF椎名伸志主将(3年)が献身的ボールに絡み、両SBがドリブルでこじ開けにくる相手アタッカーのボールを引っ掛ける。
 1人かわしても2人、3人と現れる相手の前にPAに入ることのできない神村学園はミドルシュートなどで打開を図るが、得点には結びつかず。勢いが削がれた神村学園に対し、カウンターを繰り出す青森山田はスピードのある右のMF遠藤竜史(3年)や左のMF三田尚希(2年)、SB中島龍基(3年)がサイド突破から決定機をつくりだした。

 鋭いプレッシングとスペースを的確に消す巧みなポジショニング、そして警戒していた相手のヒールパスも完璧に対応した。神村学園の攻撃を堅守で上回った青森山田は23分に右FKのチャンス。キッカー椎名の左足から低い弾道で放りこまれたボールにファーサイドから飛び込んだCB赤坂勇樹(3年)が頭で先制ゴールを押し込んだ。さらに青森山田は28分、中盤でボールを奪うと左サイドから切れ込んだ野間が対面のDFを外し、そのまま右足で追加点を蹴りこんだ。

 「今年のチームは守備が課題だった。信頼を得られていなかった時期もあったと思う。でも、あれだけの攻撃をゼロで抑えられたのはDF、GKのおかげ。よく守ってくれた」と椎名主将。チームの課題だった守備はこの日勝因となった。後半も果敢に地上戦を挑んでくる神村学園に対し、1人目では止められなくても最終ラインがしっかりケア。それでも抜け出してくる相手のシュートは2年生GK櫛引政敏が食い止めた。

 そして7分には2年生FW成田鷹晃が加点し、18分にも野間のポストプレーからU-17W杯日本代表MF柴崎岳(2年)が叩き込み4-0。今夏の全国総体2回戦でPK戦の末に敗れていた神村学園に強烈なリベンジを果たした青森山田が悲願の初Vへ一歩前進した。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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