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[高校選手権]藤枝明誠、負傷の小川主将ピッチ立てずも「みんなは何も悪くない」

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 関大一 4-1 藤枝明誠 市原臨海]

 全国4強の壁は高かった。初出場ながら最多タイ38回目出場の徳島商(徳島)、全国優勝6回の国見(長崎)、そしてファイナリストの経験を持つ岐阜工(岐阜)と名門の壁を連破してきた藤枝明誠(静岡)だが、同じく8強で敗退した全日本ユース選手権同様、準々決勝で力尽きた。

 セットプレーで2点を連取されて迎えた前半ロスタイム、藤枝明誠はMF辻俊行(3年)がスーパーミドルを叩き込み、1点差へと迫る。だが勢いづいたところで、前半35分から出場していたMF松村悠平(2年)が後半2分に負傷交代するアクシデント。緊急出場となったMF阿部嵩斗(3年)が積極的な仕掛けで奮闘するなど、何とか追いつこうとしたが、自分たちのリズムに持ち込むことができなかった。最後はリスクを負って攻めに出たこともあり、4失点敗戦。最低目標に掲げていた4強には届かなかった。

 右足首負傷で強行出場の続いたFW安東大介、初戦を右足首の負傷で欠場していたCB増田浩史(ともに3年)ら大会前に負傷者が続出。そして静岡県大会MVPで主将のMF小川哲生(3年)は左足首負傷の影響で初戦から3回戦までベンチ外だった。「テツ(小川)をピッチに」を合言葉に勝ち上がってきた藤枝明誠。この日、必死のリハビリを経て主将はようやくベンチ入りを果たしたが、劣勢の展開にもやはり回復が思わしくないことから出場は叶わず。小川も「自分が試合に出ても、いるのかいないのか分からないようなプレーしかできなかったと思う。出なかった方がよかった・・・」。

 試合後、「ピッチに立たせられなくてごめん」と謝るチームメイトに小川は「みんなは何も悪くない。出たかったですけど、みんなのその気持ちがうれしかった」。憧れの全国選手権に出場することが叶わなかった小川だが、初出場ながらベスト8へ勝ち進んだチームへの感謝を何度も強調していた。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009 

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