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湘南は力の差を見せつけられ完敗。反町監督「ひげは剃りません」

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[3.13 J1第2節 横浜FM3-0湘南 日産ス]

 完敗だった。湘南ベルマーレは自分たちのサッカーがまったくできずに0-3・・・。力の差を見せつけられてしまった。

 「結果はご覧の通り。最初の1点が痛かった。すぐれた中盤を含めたマリノスさんの方が1枚上。なるべく中盤をクローズにして好機を伺いたかったが、できなかった。完敗と言う感じがします。顔を洗って出直してこいということ。しっかり顔を洗って出直したいと思います。ひげは剃りません(苦笑)」

 J1復帰後、初の黒星。反町康治監督の表情からは無念さがひしひしと伝わってきた。力の差は分かっていたが、ここまでとは・・・。そんな思いからか、試合後の会見ではいつものようなギャグやシュールな笑いを交えた発言は少なかった。

 対策を練ってきたセットプレーで出鼻をくじかれた。前半22分、俊輔のCKから栗原に決められた。「(セットプレーの守備は)試合の前日に時間をかけてやった。昨年も含めて中澤と栗原が点を取っていた映像を見せたが、そのハイライトのようだった。情けない」と指揮官。続けて、「セットプレーで失点するチームは下位にいく。それは常識。最重要課題かもしれない」とうなだれた。

 開幕の山形戦後、この横浜FM戦に向けて「中村俊輔選手のお膳立てをするつもりはない。(注目される試合だけに)湘南もやるじゃないかと思わせたい」と“主役を食う”ことを宣言していたが・・・。その中村にはマンマークを付けるのではなくゾーンで守り、サイドを変えるパスや起点のパスを入れさせないようにという指示をしていた。だが、選手たちは“恐れ”もあるのか飛び込んでいけず、ボールを持たせてしまう場面が多かった。そして何より、山形戦ほどの気迫が伝わってこなかった。運動量は少なく、セカンドボールも拾われた。持ち味の縦への速い攻撃も出せなかった。

 理由はいくつかある。単純に個人能力の差もあるが、3万2228人という大観衆に飲まれて浮足立った部分もあるという。「何人か夢見心地の選手がいた」と反町監督。先発11人のうち5選手が初のJ1。DF村松大輔が「観衆が多くて楽しかった」と発言する通り、スタジアムの雰囲気を意識しすぎたところもある。これがプラスに働く場合もあるが、この日はマイナスに作用する部分が多かったようだ。横浜FMの日本代表DF中澤佑二は「相手はリズムが作れないまま試合が終わった感じだと思う」と指摘している。

 「自分は何もできなかった。もっと厳しくやらないといけない。走力を生かして、厳しくいかないといけない。きょうのチーム、自分のデキをいい経験にしたい」

 チームリーダーの坂本紘司は、気持ちを引き締め直した。この屈辱は必ずプラスに変える-。幸い、シーズンはまだ2試合が終わったばかり。アジエルら怪我人が戻ってくれば、浮上する可能性はある。挽回のチャンスはまだまだある。

(取材・文 近藤安弘)

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