beacon

俊輔、02年7月以来の俊輔チャントに感激

このエントリーをはてなブックマークに追加

Text alert@日産スタジアム
[3.13 J1第2節 横浜FM3-0湘南 日産ス]
右サイドバックに波戸康広、その前に中村俊輔。俊輔がイタリア・レジーナへ旅立った02年当時を思い出す光景に、トリコロール色のスタンドから熱い「俊輔コール」が降り注いだ。

「懐かしい歌を歌ってくれて、ここに帰ってきたという気持ちになった。日産スタジアムは代表でもプレーしていたので懐かしいという感覚はなかったんだけどね」

ファンの声援に後押しされ、俊輔が躍動した。6分、中央付近から放った左足シュートはゴールポストをかすめるように枠外へ。リプレー映像にスタンドが再びどよめく。

12分には相手ボールを奪ってすぐさま前線へスルーパスを出すという、欧州仕込みの強靭なプレー。自在のタメでチームをリズムに乗せていた22分には、相手守備のミスで得た右CKのチャンスから、栗原勇蔵の先制のヘディングをアシストした。チームメートが先頭に立ち、10日に生まれた俊輔の第三子の誕生を祝い、ゆりかごダンスだ。

「難しいボールになってしまったけど、勇蔵がよく頭を合わせてくれた。ゆりかごダンス?俺はキャラじゃないんだけどね」と笑顔がはじけた。

ただ、マイペースでプレーできた前半には手ごたえを感じたものの、後半のプレーには不満が残っている様子だ。

「かき回すのが好きなんだけど、それができなかった。いいプレーをしないといけないというプレッシャーもあった。(気にしている)Jのスピードに関しても、鹿島のようなチームとやったらどうなるかわからない」。

その言葉通り、歓びよりも、反省が多いというのが本音だろう。だが、7年8カ月ぶりのJリーグ復帰初戦で見事な白星。その結果がゆらぐことはない。

「まだ始まったばかりだし、修正点はあるけど、もっとやれる」
試合後の取材エリアには俊輔を待つテレビカメラ10台とあふれんばかりのペン記者。30分以上も取材対応した俊輔は「どういう疲れが来て、どういうリカバーをしていくか。そういうところから確認していかないとね」と、これから始まるJリーグでの戦いに思いをはせていた。

<写真>サポーターの声援に応える横浜FM・MF中村
(取材・文・矢内由美子)

TOP