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鄭大世劇的V弾!川崎Fが2連勝

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[3.13 J1第2節 名古屋 2-3 川崎F 豊田ス]

 ともに開幕戦で白星を挙げている名古屋グランパス川崎フロンターレとの一戦は、2-2で迎えた後半45分に川崎Fの北朝鮮代表FW鄭大世が劇的な決勝ゴール。川崎Fが3-2で名古屋を振り切った。

 ホームの名古屋、アウェーの川崎Fともに4-3-3システム。名古屋はGKが楢崎正剛で4バックは右から田中隼磨、田中マルクス闘莉王、増川隆洋、阿部翔平。中盤の底の位置に吉村圭司が入り、攻撃的MFは小川佳純&マギヌン。3トップは金崎夢生、ケネディ、玉田圭司が並んだ。
 一方、MF中村憲剛とFWジュニーニョ不在の川崎Fは、GKが川島永嗣で4バックは森勇介、菊地光将、伊藤宏樹、小宮山尊信。中盤は稲本潤一を中央に右前方が谷口博之で左が田坂祐介。黒津勝、鄭大世、レナチーニョが3トップを組んだ。

 試合は立ち上がりから激しく動いた。まずは3分、ゴール正面左寄りの位置でFKを得た川崎Fは、レナチーニョが放った右足シュートがゴール右隅へと吸い込まれる。対して名古屋は6分、玉田の右CKからファーサイドのマギヌンがヘディングシュート。これはGK川島がセーブするが、こぼれ球がDFとの競り合いで前のめりに倒れ込んていた金崎の足先へ。金崎は咄嗟の判断から右足にボールを当てると、ボールはゆっくりとゴールラインを越えた。

 開始6分で両チームがゴールを奪い合った一戦。次の1点もセットプレーからだった。16分、先制点よりもややゴールまで距離のある位置で再びFKを得た川崎Fは、今度は鄭が弾道の低い右足シュート。壁の間を抜けたボールはゴール右ポストを弾き、そのままゴールへと吸い込まれた。
 前半は点差同様、中盤の厳しいチェックと攻守の素早い切り替えで上回った川崎Fのペース。29分には菊地が負傷交代するアクシデントがあったものの、緊急出場だったDF薗田淳がカバーする。名古屋は玉田の直接FKなどで相手ゴールを襲ったものの、攻撃のスピードが上がらず。またラストパスの精度を欠くなど持ち味のサイド攻撃もなかなか機能しなかった。

 後半、川崎Fは内転筋負傷の稲本に代えて横山知伸を、名古屋も 吉村に代えてダニルソンと両チームともにアンカーの位置の選手を入れ替えた。川崎Fはその開始直後、右サイドを突破したレナチーニョのラストパスのこぼれ球を谷口がゴール左ポスト直撃の左足シュート。対する名古屋は田中隼に代えてMFブルザノビッチを投入した23分頃から徐々に試合の流れを引き寄せていくと、27分にはケネディのスルーパスに玉田が反応。直後には、金崎の左クロスをファーサイドでDFのマークを外したケネディが決定的なヘディングシュートを放つ。だがGKにセーブされ、こぼれ球に反応した玉田のシュートもDFに跳ね返された。
 それでも名古屋は33分、ブルザノビッチの絶妙な左FKをマギヌンがゴールへ押し込み同点。勢いそのままに試合を振り出しへ戻した。
 
 さらに攻め立てる名古屋に対し、失点直前にレナチーニョを交代させていた川崎Fは前線でボールをキープできず。ゴール前で相手の攻撃を跳ね返すのがやっとの時間が続いた。それでも押し込まれていた川崎Fが試合終了直前にドラマを起こす。45分、川崎Fは途中出場のMF木村祐志の左クロスをDFを背負ったままトラップした鄭が、やや足下から離れたボールに一早く反応。振り向き様に右足シュートを放つとボールはゴール右上へ突き刺さった。

 名古屋はこの後、闘莉王も前線へ上げて同点を狙うが、守りきった川崎Fが3-2で勝利。ACL2連敗の川崎Fが、リーグ戦の成績を2連勝とした。

(文 吉田太郎)

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