beacon

浦和が“お得意様”のF東京を下し初勝利!宇賀神&岡本が奮闘

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.14 J1第2節 浦和1-0F東京 埼玉]

 J1第2節2日目が14日に行われ、埼玉スタジアム2002では浦和レッズFC東京が対戦した。浦和は前半19分にPKをMFポンテが決めて先制。その後、追加点は奪えなかったが1-0。今季ホーム開幕戦で初勝利をつかんだ。F東京は前半40分にDF森重真人が退場したことも影響し敗戦。苦手の浦和に、これで13試合連続で勝ち星なしとなった。

 浦和は4-5-1システムを採用。GKは山岸範宏、DFラインは右から平川忠亮、山田暢久、坪井慶介、宇賀神友弥が入った。中盤はボランチが阿部勇樹と細貝萌、中盤は右からポンテ、柏木陽介、田中達也が入り、1トップはエジミウソンが務めた。

 対するFC東京は4-4-2を採用。GKは権田修一、DFラインは右から椋原健太、森重真人、今野泰幸、長友佑都が入った。中盤はボランチが徳永悠平と羽生直剛、右MFは中村北斗、左MFは松下年宏。2トップは鈴木達也と平山相太が組んだ。

 前節は鹿島に完敗した浦和だが、この日は序盤から積極的に攻めた。F東京とはナビスコ杯を含めて最近12戦10勝2分けと相性がいいこともあってか、ペースを握る。開始直後、決定機こそなかったが、縦パスに田中が抜け出したり、柏木が裏から飛び出すなど、ホームの大声援を受けて躍動した。

 それでも、5分をすぎるとF東京も落ち着いてくる。同5分、中村が右足ミドル。同9分には鈴木の縦パスに平山が抜け出すなど、標榜するポゼッションサッカーを発揮しはじめた。だが、この日の浦和は崩れない。前半12分にはPA右でエジミウソン、田中とつないで最後は柏木がシュート。今野にブロックされたが、細かいパスで迫った。

 田中、エジミウソン、柏木、ポンテがうまく連動し効果的な攻めを見せる中、前半18分に浦和がPKを奪った。左サイドを攻略し、最後はオーバーラップした左SBの宇賀神友弥がPA内左をドリブルで仕掛けると、森重に倒されてゲット。このプレーで森重には1枚目のイエローカードが出された。これをポンテがきっちり左に決めて前半19分に先制した。

 このゴールで浦和が波に乗る。前半27分には右SBの平川がオーバーラップし、グラウンダーのクロス。エジミウソンから柏木につながりかけたが、これはカットされた。同34分には阿部が中央から左サイドの田中にロングフィード。見事に通り、田中はドリブルで仕掛けて左足でシュートを放つが、右に外れた。

 そして前半38分、浦和は決定機を迎える。PA外右でもらったFKで、短く出されたボールを柏木が左足でシュート。これは左ポストを直撃し、跳ね返りを田中が反応しシュート。しかし、不運にもこちらは右ポストに当たり、追加点のチャンスを逃した。

 F東京はパスをつなぎ、バイタルエリア近くまでは運べるが、そこでの仕掛けに工夫が足りず崩しきれない。守備面も田中、エジミウソンのスピードに振り回されるシーンが目立った。そして前半40分、悪夢が起きた。PA右手前でエジミウソンを森重真人が倒してしまい、2枚目のイエローカードを受けて退場となった。一人少ない苦境に同44分、中村に代えて急きょ石川直宏を投入。石川はそのまま右MFに入り、ボランチの徳永がCBに、左MFの松下がボランチに、FWの鈴木が左MFに下がった。前半はそのまま浦和が1-0リードで折り返した。

 後半、序盤は一人多い浦和が完全にボールを支配する。開始3分には左サイドから攻め込み、最後はPA中央にいたエジミウソンが右足で強烈なミドルシュート。これはわずかにGK権田の手をかすめてクロスバーに直撃したが、攻撃の手が緩むことはなかった。

 F東京は何とか必死に守りながら、石川、鈴木の両サイドから攻めようとするが、簡単にはいかない。後半15分、右SBの椋原に代えてFW赤嶺真吾を投入。さらに同18分にはボランチの羽生に代えてMF梶山陽平を入れた。システムを4-3-2に変更。松下を右SBに、中盤を右から石川、梶山、鈴木、前線を平山と赤嶺の2トップにして何とか同点を狙っていった。

 浦和も後半18分に田中に代えてFWエスクデロ・セルヒオを投入。さらに同27分には平川に代えて17歳のDF岡本拓也を入れた。新星の登場に、浦和サポーターは盛り上がりをみせた。

 F東京は少ない中でもボールを繋ぎはじめる。チャンスから決定機を作り出す。後半28分、梶山のスルーパスに抜け出した赤嶺がシュート。わずかにオフサイドだったが、一人少ないなりの戦い方が機能しはじめる。そして同33分には右クロスを平山が中央で競り勝ち、ファーサイドに流れたボールを赤嶺がフリーで左足シュート。これは上にふかしてしまい決定機を逃した。

 F東京がリズムをつかみだし、ボールをつなぎ出すなか、浦和は後半41分、柏木に代えてMF鈴木啓太を投入。中盤をトリプルボランチにして守備を固めた。ロスタイムは4分。F東京は何とかカウンターで攻めようとするが、浦和がしっかりとボールをつなぎ逃げ切る。結局、1-0で浦和が今季初勝利をつかんだ。

<写真>決勝点をPKから決める浦和MFポンテ
(取材・文 近藤安弘)

TOP