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柏が5戦ぶり勝利、川崎Fは風間体制初の無得点で連勝ストップ

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[5.12 J1第11節 川崎F0-2柏 等々力]

 J1第11節は12日、各地で9試合を行い、等々力陸上競技場では2連勝中の川崎フロンターレが最近4試合勝利のない柏レイソルと対戦した。柏は後半18分にFW工藤壮人が先制点を決めると、後半ロスタイムにはMFジョルジ・ワグネルがダメ押しゴールを決め、2-0で勝利。リーグ戦5試合ぶりの白星を飾り、グループリーグ突破を懸けた15日のACL全北現代戦に弾みを付けた。川崎Fは連勝が2でストップ。ここ2試合で7得点を挙げていた攻撃陣が沈黙し、風間八宏監督就任後、4戦目で初の無得点に終わった。

 川崎FはMF稲本潤一が負傷欠場。代わって田中裕介が中盤のアンカーに入り、田中祐の抜けた右SBでは新戦力のDFレネ・サントスが加入後初出場初先発となった。その他は前節・名古屋戦(3-2)と同じ先発メンバーで臨んだ。
 柏は前節・広島戦(2-5)から先発4人を変更。CBでは負傷明けのDF近藤直也、ボランチではMF大谷秀和がともに公式戦3試合ぶりに先発し、2トップは工藤とFW田中順也の組み合わせだった。
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 立ち上がりに数多くのチャンスをつくったのはアウェーの柏だった。前半7分、MFジョルジ・ワグネルからパスを受けた田中がPA内左から左足でシュートを放つが、GKがセーブ。同15分、工藤が鋭い反転からのシュートを狙えば、その後もMFレアンドロ・ドミンゲス、田中が立て続けにミドルシュートでゴールを襲った。

 川崎Fはボールポゼッションを高め、相手陣内に攻め込むが、なかなかシュートまで持ち込めない。前半18分、右サイドをオーバーラップしたレネ・サントスが中に切れ込み、左足でロングシュートを狙うも、目の前の選手に当たった。前半24分にはDF登里享平からMF中村憲剛、MF大島僚太と細かくつないで最後はFW矢島卓郎が左足でフィニッシュ。ようやくいい形をつくったが、シュートはジャストミートせず、ゴール右に外れた。

 柏は確実にシュートで攻撃を終えるシーンが目立ち、中盤のセカンドボールの拾い合いでも優位に立っていた。前半29分には波状攻撃を仕掛け、最後は右クロスがファーサイドまで流れて来たボールをレアンドロが右足ダイレクトでシュート。枠を捉えた鋭いシュートだったが、ここはGK西部洋平がファインセーブを見せ、ゴールを許さなかった。

 公式記録によると、前半のシュート数は柏の9本に対し、川崎Fはわずか1本。決して一方的な展開というわけではなかったが、より多くのシュートチャンスをつくっていた柏にとっては不満の残るスコアレスでの折り返しとなった。

 後半に入っても柏ペースは変わらない。後半6分には相手の最終ラインでのミスを突いた工藤が決定機を迎えるが、シュートはまたしてもGK西部が好セーブ。あと一歩のところでゴールが遠かった。

 すると川崎Fも徐々に決定機をつくり出していく。後半11分、中村の浮き球のパスに反応したレネ・サントスが一気に駆け上がり、相手PA内に進入。鋭い切り返しで近藤のスライディングタックルをかわし、左足でシュートを打ったが、至近距離でGKがセーブ。同12分には中村のFKのこぼれ球を楠神が右足ボレーで叩いたが、これは惜しくもクロスバーに弾かれた。

 徐々に試合が激しさを増す中、均衡を破ったのは柏だった。後半18分、右サイドをえぐったDF酒井宏樹の折り返しがファーサイドに流れてきたボールを田中がシュート性のクロス。ゴール正面で受けた工藤のシュートは一度はDFのブロックに阻まれたが、こぼれ球を自ら蹴り込んだ。

 工藤の5試合ぶり今季2点目が貴重な先制点。リードを奪った柏はその後も田中が果敢にシュートを狙うなど一気にたたみかけた。1点を追う川崎Fは後半20分にレネ・サントスに代えてDF伊藤宏樹、同25分には登里に代えてFW小林悠を投入し、両SBを下げてシステムも4-4-2に変更。4バックは右から田中裕、DF井川祐輔、伊藤、DF森下俊となり、中盤は中村と大島のダブルボランチで右にMF田坂祐介、左に楠神。前線は小林と矢島の2トップとなった。

 1点リードの柏は後半34分、アクシデントが襲う。DF増嶋竜也が左足を痛め、故障明けのDF那須大亮と交代。予期せぬ形で最初の交代カードを切ることになったが、那須を加えた守備陣は最後まで集中力を切らさず、川崎Fの反撃を跳ね返した。

 川崎Fは後半44分、楠神に代えてFWレナトを投入し、最後のカードを切るが、最後までゴールを奪うことができず。逆に後半ロスタイム、柏は工藤のラストパスからジョルジがダメ押しゴール。2-0の完封勝利で5試合ぶりの勝ち点3を手にした。

(取材・文 西山紘平)

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