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互いに後半の決定機を生かせず、浦和と新潟は1-1の痛み分け

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[5.12 J1第11節 浦和1-1新潟 埼玉]

 Jリーグは12日、第11節を行い4位の浦和レッズは16位のアルビレックス新潟を埼玉スタジアムに迎えた。立ち上がりからボールを回す浦和は、前半11分にMFマルシオ・リシャルデスのゴールで先制する。しかし同29分に新潟のFWブルーノ・ロペスに得点を許し、同点に追いつかれる。後半は互いにチャンスをつくりながらもモノにできず。試合は1-1のまま終了した。

 浦和はFW原口元気、MF梅崎司がスタメンに復帰し、新潟はMF藤田征也が今季初スタメン出場した。浦和の布陣は3-4-2-1。最終ラインは右から坪井慶介、永田充、槙野智章。中盤はダブルボランチが鈴木啓太、阿部勇樹、右WBに平川忠亮、左WBに梅崎司。2列目がマルシオ・リシャルデスと柏木陽介が務め、1トップに原口元気が入っている。対する新潟は、4-4-2。最終ラインは右から内田潤、鈴木大輔、石川直樹、金珍洙。中盤の底に菊地直哉と本間勲の2人が入り、右に藤田征也、左に田中亜土夢。ミシェウ、ブルーノ・ロペスが2トップを組んだ。

 試合は序盤から浦和がボールを支配する。前半5分には右サイドを攻め上がったMF平川忠亮がクロスを入れようとしたところで、相手DFと交錯する。同8分にはDF槙野智章が左サイドをドリブルし、ゴール前へクロスを入れる。これをMFマルシオ・リシャルデスが落としたところに、MF梅崎司が合わせたが、ボールはゴールの上へ飛んだ。同10分にも浦和は右サイドの平川の入れたボールを、マルシオが落とし、FW原口元気が左に展開。PA内に梅崎が侵入したが、ボールをコントロールできず、シュートまで持っていけなかった。

 同11分、浦和が先制する。左サイドでMF阿部勇樹が前方に構える槙野にパスを出す。ボールを受けた槙野は縦に仕掛けて、ゴール前に折り返すとGK東口順昭が弾く。そのこぼれ球をマルシオが押し込み、浦和が1-0とリードする。この流れを維持したい浦和だったが、5分に足を痛めた平川が前半14分にベンチへ下がり、MF宇賀神友弥が右WBに入った。

 先制された新潟も、前線で攻撃を組み立てるFWミシェウを軸に、チャンスをつくる。19分、左サイドをオーバーラップしたDF金珍洙におとりに使ったミシェウは、右足アウトサイドでゴール前にいたMF田中亜土夢にパスを出す。しかし、田中はシュートをミートできずにボールはGK加藤順大の正面に飛んだ。

 同23分には新潟の前に出た勢いを借りて、浦和が速攻に出る。原口とマルシオがパスを交換しながらボールを前に運び、原口がPA内に侵入して強烈なシュートを放ったが、ボールは右サイドネットに外れた。

 同29分には新潟が波状攻撃を仕掛ける。左サイドから金珍洙がクロスを入れるとDFがクリア。こぼれ球をMF本間勲がシュートしたが、DFがクリアーする。これで得た左サイドのスローインから新潟が同点ゴールを挙げる。金珍洙のロングスローを浦和DFがクリアー。こぼれ球に合わせたMF菊地直哉はシュートをミートできなかったが、ボールは前線の田中の足下に収まる。田中が落としたボールをブルーノ・ロペスがゴールに押し込み、試合は1-1の振り出しに戻った。

 その後、ボールを支配する浦和は、何度かチャンスをつくる。前半終了間際には、槙野が強烈なFKを放ったが、新潟GK東口のパンチングで防がれて追加点は挙げられず。1-1でハーフタイムを迎えた。

 後半、最初に決定機をつくったのはアウェーの新潟だった。同12分、PA内深くに侵入したミシェウの折り返しに菊地が飛び込むが合わせられず、ゴール前で浦和DFがクリアーした。CK後の13分に新潟の黒崎久志監督は、菊地を下げてMF三門雄大をピッチに送り込む。

 後半15分には浦和も決定機を迎える。阿部からのパスをPA内で受けたMF柏木陽介が左足で強烈なシュートを放ったが、ゴールマウスを捉えることはできなかった。同19分には新潟もCKの流れたボールがDF石川直樹の足下に転がるが、慌てて打ったシュートは右に外れ、得点にはつながらない。同22分には新潟のカウンターを阻止したDF坪井慶介が原口にパスを入れる。原口はドリブルからシュートを放ったが、ボールは右に外れていった。

 同28分に浦和は、ゴール正面からドリブルを仕掛けた槙野が倒されてFKを獲得する。プレー再開前に新潟はミシェウを下げて、FW平井将生を送り込む。FKはマルシオが蹴ったがシュートは壁に当たり、左に外れる。続くCKからクリアーしたボールを拾ったブルーノ・ロペスが、一気に浦和陣内にボールを運ぶ。右には平井も走っていたが、遠目から強引にシュートしたボールは力なく、GKの正面に収まった。

 後半34分には浦和が細かいパス回しから決定機をつくる。ブルーノ・ロペスからボールを奪いカウンターに出ると、柏木の縦パスを受けたマルシオがDFを引き付けて右の宇賀神にパス。宇賀神が中央の原口に折り返す。ゴール前でフリーになった原口は、1トラップしてシュートを打ったが、右SB内田潤にブロックされてチャンスを生かせない。その直後には新潟も、右サイドから藤田が折り返したボールをゴール前でフリーになった平井が左足で合わせたが、シュートは大きく左に外れてしまう。

 後半37分に新潟は藤田に代えてMF小谷野顕治を起用する。ホームで勝利を手にしたい浦和も後半40分に梅崎に代えて、エスクデロ・セルヒオをピッチに送り出し、左サイドで起用した。後半44分には左サイドの高い位置でボールを奪った新潟が、中央の小谷野にパス。小谷野が強烈なシュートを放ったが、GK加藤が好守を見せる。試合終了間際の45分に浦和は原口を下げて、FWデスポトビッチを投入する。ロスタイムにも浦和は新潟を押し込み、エスクデロがシュートを放つなどチャンスをつくったが、新潟・MF本間勲の懸命なブロックに遭い、得点はできず。結局、両チームともに追加点は挙げられず、1-1のまま勝ち点1を分け合った。

(取材・文 河合 拓)

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