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増嶋負傷交代も…柏は満身創痍の守備陣が完封

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[5.12 J1第11節 川崎F0-2柏 等々力]

 前節・広島戦(1-5)で今季最多の5失点を喫した柏レイソルの守備陣が90分間を無失点で切り抜けた。左足首痛で離脱していたDF近藤直也が2試合ぶりに先発復帰。まだ万全の状態ではなく、後半34分にはCBでコンビを組むDF増嶋竜也が左膝を痛めて負傷交代するアクシデントにも見舞われたが、やはり故障から4試合ぶりに復帰したDF那須大亮が緊急出場で逃げ切りに貢献した。

 満身創痍の守備陣が総力戦で手にした完封勝利。増嶋は近藤の復帰を「頼りになる人が帰ってきてくれた。ドゥーさん(近藤)からくさびも入るようになって、レイソルらしいサッカーができた」と喜び、近藤も「最近勝ってなかったので、完封だったし、この勝ちはチームとしても個人としても大きな自信になった」と胸をなでおろした。

 2-5の大敗を喫した広島戦後、チームミーティングが開かれ、ネルシーニョ監督からあらためて守備面の指示が飛んだ。前線の選手がしっかりプレスをかけ、相手のパスコースを限定して、中盤や最終ラインでボールを奪う。増嶋が「前がいい守備をしてくれて、後ろは狙いどころを定められた」と感謝したように、相手がボールポゼッションを重視する川崎Fということもあり、柏のプレッシャーがハマり、連動したディフェンスで相手に決定機をつくらせなかった。

 15日のACL全北現代戦(全州)、19日のC大阪戦(長居)と続くアウェー3連戦。9泊10日という長期遠征の初戦で価値ある勝ち点3をもぎ取った。試合後、左膝をアイシングしながら姿を見せた増嶋は「一回のプレーで痛めたんじゃなくて、スライディングとかしていて、だんだん膝が曲がらなくなった。踏ん張りがきかなくなったらまずいと思って、早めに(交代を)言った」と説明。このまま遠征にも帯同する予定で、グループリーグ突破を懸けた全北戦に向けても「準備したい」と強行出場を辞さない構えだ。

 左足首の状態が完治していない近藤も「まずは今日のサッカーを次の試合でも出せるようにやっていきたい。次は今日より勝負にこだわって、内容より結果にこだわってやりたい」と力説。つかみかけた流れを手放すわけにはいかない。敵地での決戦へ、決死の覚悟をのぞかせた。

(取材・文 西山紘平)

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