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終了間際の決勝点でスペインが首位突破、クロアチアは1点が遠く3位敗退

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[6.18 EUROグループリーグC組第3節 クロアチア0-1スペイン グダニスク]

 EURO2012(欧州選手権)は18日、グループリーグC組の最終節を行った。勝ち点4で並ぶクロアチアとスペインの対決は後半43分に途中出場のMFヘスス・ナバスが決勝点を決め、スペインが1-0で競り勝った。2勝1分の勝ち点7としたスペインはC組首位突破。クロアチアは勝ち点4から伸ばせず、アイルランドに2-0で快勝したイタリアが勝ち点を5に伸ばし、逆転で2位通過を果たした。

 クロアチアは14日のイタリア戦(1-1)から先発2人を変更し、MFプラニッチ、DFドマゴイ・ビダが今大会初先発。システムもイタリア戦の後半途中から採用した4-2-3-1でスタートし、1トップには2戦3発のFWマンジュキッチが入った。スペインは14日のアイルランド戦(4-0)と同じ先発メンバーだった。

 勝った方が首位通過。引き分けでもスペインはグループリーグ突破が決まるが、クロアチアはイタリアの結果によって敗退となる可能性もある大混戦のC組最終節。前半は立ち上がりからクロアチアが積極的なプレスでスペインにプレッシャーをかけた。

 スペインは前半23分、右サイドからPA内にドリブルで切れ込んだFWフェルナンド・トーレスが角度のない位置から右足でシュートを放つが、GKプレティコサが左足でセーブ。その直後にはDFセルヒオ・ラモス、さらにDFジェラール・ピケと両CBがミドルシュートを狙った。しかし、攻撃は単発。スペインらしいパス回しからの崩しはなかなか見られなかった。

 クロアチアは前半26分にMFダリオ・スルナが右サイドから折り返し、マンジュキッチが右足で合わせるが、ゴール上へ。こちらも決定機をつくることはできず、前半は0-0のまま折り返した。

 他会場では前半終了時点でイタリアが1-0とアイルランドをリードしていた。このまま終われば3チームが勝ち点5で並び、3チームの当該成績によりイタリアが首位通過となり、2位はグループ全体の得失点差でスペイン。クロアチアは3位で敗退となる。

 1点が欲しいクロアチアはコンパクトな守備ブロックを敷いてスペインに対抗し、カウンターからチャンスをうかがう。後半14分には絶好機を迎え、右サイドを抜け出したMFルカ・モドリッチのクロスにMFラキティッチが飛び込んだが、シュートはGKカシージャスのビッグセーブに阻まれた。

 スペインは後半16分、F・トーレスに代えてMFヘスス・ナバスを投入。MFダビド・シルバが中央に移り、ナバスは右サイドに入る“ゼロトップ”にシステムを変更した。一方のクロアチアは後半21分、一気に2人を交代。FWイェラビッチとMFペリシッチを投入してシステムも4-4-2に変更し、186cmのマンジュキッチと188cmのイェラビッチが前線で2トップを組んだ。

 1点を取って準々決勝への道を切り開きたいクロアチア。スペインはこのまま0-0で終われば2位通過となるが、もしもクロアチアにゴールを許せば一気に3位に転落し、グループリーグ敗退が決まる。1点をめぐるギリギリの攻防は徐々に緊張感を増していった。スペインは後半28分、シルバに代えてMFセスクを投入。しかし、同33分、イニエスタからラストパスを受けたセスクは切り返しからシュートを狙うが、タイミングが遅れ、DFにブロックされた。

 クロアチアは後半34分、再びカウンターから決定機を迎える。マンジュキッチの左クロスをペリシッチが胸トラップから右足ボレーを放つが、またしてもGKカシージャスがセーブ。同36分にはMFブエコビッチに代えてFWエドゥアルドを投入し、最後のカードを切った。

 スペインを追い込むクロアチアだったが、世界王者は前がかりになる相手の隙を見逃さなかった。後半43分、セスクからの浮き球のスルーパスにオフサイドラインぎりぎりを抜け出したイニエスタがPA内で胸トラップ。横のナバスに流し、ナバスが右足でゴールに蹴り込んだ。これで勝負あり。1-0で競り勝ったスペインが勝ち点を7に伸ばし、C組首位でグループリーグを突破。2位にはアイルランドを2-0で下したイタリアが入り、クロアチアはグループ3位で敗退となった。


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