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[高校MOM111]武相MF秋山真太朗主将(3年)_初V導いた“武相のジェラード”

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.21 全国高校選手権神奈川県大会決勝 桐光学園 1-2 武相 平塚]

 背番号4の右足から放たれた一撃が桐光学園のゴールを守る名手・峯達也(2年)の指先を抜けてゴールへと吸い込まれていく。武相・大友正人監督が「後半になっても運動量が落ちない。あそこでシュートが打てる心肺機能は強いと思う」と絶賛したMF秋山真太朗主将(3年)のプレー。後半3分に追いつかれ、1-1で迎えた後半16分だった。中盤から前方のスペースへと突如駆け上がり、鮮やかなコントロールショットを決めた秋山主将の決勝ゴールが武相に初Vをもたらした。大舞台での決勝ゴールは初めてと話す秋山主将は「(三掘が)いいタメをつくってくれた。(感覚的に)GKが前に出ていると思った。シュートは思い切り打つよりはああ(GKの頭上を抜くように)打つ方がいい。思い通りにやることができた」と笑顔でV弾を振り返った。

 憧れというMFスティーブン・ジェラード(リバプール)がイングランド代表でつけている背番号4をまとう主将。圧倒的な運動量で中盤の守備を支え、チャンスと見るや前線へと飛び出して三掘宰と柿崎弘樹(ともに3年)の強力2トップに絡む。そして中盤ながら試合を決めるゴールを連発するジェラードのように、大事な場面で勝負強さを発揮した。
 そして後半39分にはゴール前へ戻って相手の決定的なシュートを頭でクリアするビッグプレー。攻守でチームを支えたMFの存在は初の決勝を戦ったチームにとって最も大きかった。

 ただ、自分の活躍よりも「みんながチームを鼓舞する声を出し続けてくれた。みんなが助けてくれた」とうれしそうに語った秋山主将。ヒーローは、勝てない時期から「どんな時も声を切らさなくなった」ことで栄冠をつかんだチームの“変化”を何より喜んでいた。

(取材・文 吉田太郎)

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