beacon

[高校MOM124]八千代GK永村達郎(3年)_2戦連続のPKストップ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.6 全国高校選手権千葉県大会決勝 八千代0-0(PK3-2)習志野 柏の葉]

 2試合連続のPKストップで千葉県制覇の立役者となった。0-0のまま突入したPK戦。2-2で迎えた5人目、GK永村達郎(3年)が横っ飛びでFW武田彬寛(3年)のキックを弾く。守護神のビッグセーブが八千代を3年ぶりの全国選手権に導いた。

 「PKは雰囲気。ギリギリまで待って、キッカーが助走しているときにボールと全体の雰囲気を見て、(どちらへ飛ぶか)決める。あのときは“右だ”と思った。そしたらその通りに来た」

 準決勝の流通経済大柏戦でも、1-0とリードしていた後半16分にPKをセーブ。絶体絶命のピンチを救い、チームはその後2点を加点し、決勝進出を決めた。

 「PKは得意ですね。毎日、練習の最後にチームとしてPKの練習をしている。1人が3本ずつ蹴るけど、4本に1本は止められる」と胸を張った。拮抗した試合展開が続き、0-0のまま延長戦に入った。「延長の後半ぐらいでPK戦になるかなと思った。なったらなったで、PKは得意だから、いいかなと。集中してできた」と力強かった。

 2学年上の兄がGKをやっていた影響で、小学3年生でサッカーを始めたときからGK一筋だ。「基本的に目立ちたがり屋なので。他の人と違うユニフォームを着れるのが魅力だった」。動機は何であれ、永村にGKとしての適性があったのは間違いない。173cmと小柄ながら反射神経、判断力に優れ、1対1にも安定感がある。何より砂金伸監督が「明るい性格で、声もよく出る」というムードメーカーが最後方に構えているからこそ、チームに安定感が生まれている。

 GKとしての基本技術は柏レイソルのGKスクールで鍛え上げられた。小学6年から中学3年までの4年間、週1回、柏のGK専門のサッカースクールに通い、GKに必要な能力をひとつひとつ身に付けていった。「1対1、シュートストップ、クロスへの対応、コーチング。いろんなことを学んだ。毎週木曜日にスクールで習ったことを、次の木曜日まで1週間、部活の練習後に自主トレでおさらいしていた」と言う。

 MF米倉恒貴(千葉)、FW山崎亮平(磐田)を擁し、ベスト4進出を果たした3年前の全国選手権をスタジアムで観戦し、「こういう風に活躍できたら」とあこがれ、一般受験で名門校の門を叩いた。「正直、こうやって試合に出られるようになるとは思ってなかった」。“雑草GK”がチームに欠かせない守護神にまで成長し、あこがれた先発たちと同じ舞台へ上り詰めた。

<写真>2試合連続のPKストップで全国選手権出場の立役者となった八千代GK永村達郎

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
特設:高校サッカー選手権2009

TOP