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[天皇杯]ケネディが貫禄ハット!名古屋が岐阜を下す

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[12.13 天皇杯準々決勝 名古屋3-0岐阜 瑞穂陸]

 天皇杯準々決勝は13日、2日目の1試合が行われ、名古屋グランパスFC岐阜に3-0で勝利。優勝した第79回大会以来の4強入りを果たした。

 同じ東海地区をホームとし“名岐ダービー”ともいわれる一戦で、名古屋はオーストラリア代表FWケネディがハットトリックするなど貫禄をみせた。

 名古屋にとっては、勝たなくてはいけない相手だった。Jの先輩であることはもちろん、昨年の天皇杯4回戦で1-0で下すなど公式戦3戦3勝中。今季、涙をのんだACLに再挑戦するためにも、ここで負けるわけにはいかなかった。

 A型インフルエンザの影響でMF小川佳純が欠場し、キーマンのマギヌンはJリーグ最終節で受けたレッドカードのため出場停止。その影響か、試合序盤はなかなかゴールが奪えず名古屋サポーターをハラハラさせた。昨年の天皇杯での対戦は、実はロスタイム弾での辛勝だった。サポーターも選手も、嫌な記憶として覚えている。

 そんな“暗雲”をエースが吹き飛ばした。前半44分に先制ゴール。貴重な時間にゴールを奪ってみせると、後半22分に2点目、後半36分には3点目。圧倒的な決定力を発揮し、“さすが”の結果を残してみせた。

 岐阜は4回戦で千葉を下すなど自信をつけていた。スタッフの行き来があるなどつながりの深い名古屋といえども、“ジャイアントキリング”に燃えていた。松永英機監督が今季限りで退任するうえ、例年、選手の入れ替わりが激しく“このチームで一試合でも多く”という思いもあった。

 名古屋と岐阜は、織田信長、斎藤道三など、戦国武将ゆかりの地。両クラブとも“天下統一の戦いは、ここから始まる!”と銘打って盛り上げていた。公式HPによると、7日のJリーグアウォーズの会場で、この決戦に向けて名古屋FW玉田圭司とGK楢崎正剛、岐阜嶋田正吾が対面し、がっちりと握手。健闘を誓い合ったという。

 主将の菅和範は「もちろん、名古屋は格上のチームですが、シーズンを通して、自分達がやってきた、自分達のサッカーをやることが大事だと思います。相手はビッククラブですが、サッカーは11人でやるものなので、クラブの大きさや代表選手の人数ではないと思っています。自分達のサッカーをしっかりやって、戦いたいと思います」と意気込んでいた。

 しかし、当然のことながらJ2の12位とアジア4強との間に、戦力差があったことは否めない。スピードを活かしてカウンターを仕掛けたが崩せない。名古屋の前に、またしても屈することになった。

 名古屋の次戦の相手は、こちらもACL出場に闘志を燃やす清水。会場は清水の“準ホーム”エコパとアウェーとなるが、今季リーグ戦で1勝1分けと分がいい。

 見所の一つに、玉田&ケネディvs岡崎&ヨンセンの“凸凹ストライカーコンビ”の対決があるが、アジア屈指のストライカーケネディにとって、無冠でシーズンを終えることは屈辱だろう。この日のように再び爆発したいところだ。

〈写真〉仲間とともに笑顔をみせるケネディ

(文 近藤安弘)

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