beacon

[大学選手権]主力4人欠場も流経大金星与えず

このエントリーをはてなブックマークに追加

[12.19 全日本大学選手権1回戦 流通経済大 2-1 北海道教育大岩見沢校 西が丘]

 第58回全日本大学サッカー選手権の1回戦が19日、行われ、関東王者の流通経済大は北海道教育大岩見沢校(北海道)を2-1で下し、23日に関西大(関西2)と対戦する準々決勝へ駒を進めた。

 苦しい勝利だった。J内定者3選手を擁する優勝候補・流通経済大だが、関東リーグMVPのMF千明聖典(4年)が右膝の故障のため、今大会を欠場。また、それぞれ負傷離脱していたサンフレッチェ広島加入内定のDF石川大徳と浦和レッズ加入内定のMF宇賀神友弥は大事をとってこの試合の先発から外れていた。加えて、DFの要・山村和也(2年)もU-20日本代表の韓国遠征のために不在だったことを考えると、この日は勝ったことで十分だったのかもしれない。

 中野雄二監督が「(4バックの陣容は)きょう決めた」という最終ラインは危ない場面をつくられながらも奮闘。それでも、大宮アルディージャ加入内定のMF金久保順(4年)が「ビルドアップがうまくできなくて相手も守りやすかったと思う。もっと中盤で攻撃をつくれればよかった」と振り返ったように、前線へ飛び出す選手不在で構成力に欠けた中盤が相手に脅威を与えることができなかった。
 前半32分にオーバーラップした左SB古西祥(4年)のクロスをFW征矢智和(2年)が頭で押し込み先制ゴールを奪い、さらに37分には敵陣でボールカットしたMFベロカル・フランク(3年)のラストパスをFW船山貴之主将(4年)が難なくゴールへと流し込んだが、攻撃が停滞したことから道教大岩見沢校に攻撃機会を与えてしまい、前半だけでシュート9本を浴びた。

 後半も相手の技巧派MF上原宏太(4年)や前線で存在感放つFW穴田大樹(3年)らに手を焼き、20分には左CKから穴田にアクロバティックな右足シュートを叩きこまれ1点差。30分には最終ラインが穴田に入れ替わられて決定的なピンチを招く場面もあった。ただ、168cmと小柄ながら、この日CBを託されたU-20日本代表DF比嘉祐介(2年)が「セカンド(ボール)拾われてリズムをつくられた。でもほとんどが外からのシュートだったし、守り切れる自信はあった」と振り返ったように同点に追いつかせることはなかった。

 過去4回準決勝で敗れているインカレでの悲願の初Vを目指し、チームは今大会へ向けて「3人疲労骨折になった」(中野監督)ほどのハードトレーニングを敢行。疲れが回復しきれていない一面もあった。その中での苦しい試合だったが、常にリードし相手に金星を与えることはなかった。
 優勝候補同士の一戦となる関西大戦では山村、石川が復帰することが濃厚なだけにチームのパフォーマンスも上がりそう。金久保は「元の形を取り戻して、よりポゼッションしながら攻撃したい」と誓っていた。 

(取材・文 吉田太郎)

特設:大学選手権09

TOP