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[大学選手権]J1撃破の明治大はPK戦で辛勝

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[12.19 全日本大学選手権1回戦 明治大0-0(PK5-3)仙台大 平塚]

 天皇杯でモンテディオ山形を下し、大学チームによる史上初のJ1クラブ撃破という大金星を挙げた明治大(関東3)はPK戦の末、仙台大(東北)を破り、23日の準々決勝進出を決めた。

 司令塔のMF山田大記(3年)が負傷欠場した明治大は4-2-3-1の2列目に並んだMF都丸昌弘(4年)、MF三田啓貴(1年)、MF小林裕紀(3年)が流動的にポジションを変え、小気味良いパス回しと個人技で打開を図るが、仙台大の強固な守備組織を前に攻めあぐねた。

 4-4-2の仙台大はFW小関和明(4年)とFW奥埜博亮(2年)の2トップが巧みなポジショニングでボールを引き出し、前線で起点をつくってリズムを生んだ。ショートカウンターから裏へ抜け出す動きにも迫力があり、徐々に流れを引き寄せると、前半28分には小関と奥埜のパス交換から最後はMF山崎航太がフィニッシュ。しかし、これは力なく、GK高木駿(2年)がキャッチした。

 思うように試合を進められない明治大だったが、前半42分に小林の右CKからFW山本紘之(3年)がフリーでヘディングシュート。前半最大の決定機だったが、枠を捉え切れず、前半は0-0で折り返した。

 後半に入ると、仙台大がペースを握る。明治大のパス回しを組織的な守備の網にかけ、チャンスをつくらせない。明治大はポゼッションで単純にボールを失う場面も目立ち、自らリズムを失っていった。

 流れを引き寄せた仙台大は後半半ば過ぎから立て続けに決定機をつくる。後半23分、左クロスのこぼれ球を小関がシュート。ここはDFのブロックに阻まれたが、同24分には奥埜がGKと1対1の絶好機を迎えた。しかし、これもGK高木が体を張ってセーブ。同31分にも奥埜の好パスから小関が狙ったが、枠を捉え切れなかった。

 なかなか攻め手のなかった明治大も後半44分にセットプレーからチャンスをつくり、小林の右CKからこぼれ球を拾ったDF鹿野崇史(3年)が豪快なシュートを放ったが、クロスバーを直撃した。

 90分間で決着が付かず、10分ハーフの延長戦でも互いに決め手を欠き、勝負はPK戦にもつれ込まれた。

 PK戦では、後攻の仙台大が2人目のDF百目木雅臣(4年)がゴール左に外したのに対し、明治大は全員が成功。最後は5人目のGK高木が豪快に左足で蹴り込み、PK5-3で仙台大を下した。

 神川明彦監督は「うちらしいサッカーが出せなかった。過緊張。どうしても関東のチームを相手にすると、向こうは思い切りよく来れる。天皇杯の逆ですね」と苦笑いだった。

 「勝って良かった。それだけ。苦しみ抜いた試合だったけど、次に進めたことは良かった」と安堵の表情を浮かべた神川監督。23日の準々決勝では鹿屋体育大と対戦する。「1回戦を見ても分かるように相手は4点取る力のあるチーム。うちが守ってカウンターという展開になってもいい。勝ち方は要求していない。結果だけを求めていきたい」と話していた。

<写真>PK戦の末、初戦を突破した明治大に歓喜の輪ができる

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

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