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[大学選手権]半世紀ぶりVへ、明大が「未知の世界」に挑戦

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[12.26 全日本大学選手権準決勝 関西大0-2明治大 平塚]

 第58回全日本大学サッカー選手権は26日、神奈川県の平塚競技場で準決勝を行い、明治大(関東3)がFW久保裕一(3年)の2得点で関西大(関西2)に2-0で勝ち、46年ぶりの決勝進出を決めた。

 大会前に左太腿裏を負傷した久保が今大会初先発を飾った明大は久保とFW山本紘之(3年)の2トップが体を張ったポストプレーでリズムをつくり、序盤からパスをつないで優勢に試合を運んだ。

 前半7分にはMF小林裕紀(3年)の縦パスを胸トラップした久保がスペースにボールを運び、倒れ込みながら右足でゴール左隅にねじ込む先制点。幸先良くリードを奪った。

 立ち上がりは動きが重く、ミスの目立った関西大も徐々に盛り返し、ピッチを広く使ったサイド攻撃を展開。右MFの藤澤典隆(3年)、左MFの中村祐哉(4年)が高い位置でボールを受け、右サイドバックのDF宇佐美宏和(4年)も効果的なオーバーラップを見せた。

 前半33分には自陣からのDF平野史明(4年)のロングフィードをFW金園英学(3年)が頭でそらし、藤澤がシュートを打つが、ゴール左へ。同36分には藤澤のスルーパスから金園が抜け出し、GKと1対1の絶好機を迎えたが、GK高木駿(2年)が好セーブ。明治大が1点をリードして前半を折り返した。

 後半に入っても関西大はサイドからチャンスをうかがうが、クロスの精度が低く、なかなかフィニッシュに持ち込めない。後半20分には金園に代えてMF金久真也(4年)をピッチに送り込み、リズムを変えたが、同28分、金久が抜け出しかけた場面もDF吉田啓祐(2年)が体を張ってクリアした。

 明治大は後半34分、負傷を抱える司令塔のMF山田大記(3年)を満を持して投入し、勝負を決めに出た。すると、直後の後半35分、吉田の右クロスにMF都丸昌弘(4年)が飛び込み、ダイビングヘッド。GK児玉剛(4年)が弾いたボールに久保が詰め、左足で押し込んだ。

 2-0で押し切った明治大にとって、決勝進出は63年の第12回大会以来、実に46年ぶり。来年1月6日の決勝で福岡大を破れば、58年の第7回大会以来、51年ぶり2度目のインカレ制覇となる。

 決勝の舞台は東京・国立競技場。神川明彦監督は「私自身、国立で戦うのは選手としても監督としても初めて。03年にユニバーシアードのコーチとしてベンチに入ったことはあるけど、未知の世界。そこに選手たちが私を導いてくれた」と感謝した。「気負わず、いつも通り、ハツラツと明治らしいサッカーを見せたい」。半世紀ぶりの偉業まであと1つ。ここまで来たら、歴史が変わるのを見てみたい。

<写真>後半35分、2点目を決めたFW久保裕一(左)にMF山田大記(10番)が駆け寄る

(取材・文 西山紘平)

特設:大学選手権09

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