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[高校選手権]エース石川がハット!!八千代が5発発進

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[12.31 全国高校選手権1回戦 八千代5-0中津工・中津東 フクアリ]

 八千代(千葉)は中津工・中津東(大分)に5-0で快勝し、初戦を突破した。前半4分、FW石川誠也(3年)が先制点を決めると、同18分にMF黒氏啓介(3年)、後半4分にもFW大和久弘樹(2年)が追加点。先制点の石川は後半6、30分にも加点し、ハットトリック達成で圧勝スタートに花を添えた。

 八千代は前半4分、エース石川の好プレーで先制点を奪った。高い位置からプレッシャーをかけ、DF西野隆司(3年)のフィードを体ごとブロック。そのままこぼれ球を拾うと、前に出ていたGKのポジションを見逃さず、右足で無人のゴールに流し込んだ。

 この1点で緊張もほぐれたか、ここから八千代が勢い付いた。正確なパス回しからMF長澤和輝(3年)のドリブル、ラストパスは冴えわたり、石川、大和久の2トップも抜群のスピードと動き出しでボールを呼び込み、チャンスを量産した。

 前半18分、長澤のFKからDF山本恭平(3年)がヘディングシュート。ポストに当たったこぼれ球を黒氏が押し込み、早くも2点目を奪った。

 前半19分には長澤が強烈なミドルシュートでゴールを強襲。同21分にも石川のパスを受けた大和久が際どいシュートを放つなど一方的に攻め立てた。

 2-0で折り返した後半立ち上がり、八千代は連続ゴールで試合を決定付けた。後半4分、中盤からの華麗なパス回しで最後はDF中谷幸葉(2年)のラストパスを大和久が右足で流し込み、3-0。さらに2分後、DF宇田川卓馬(3年)の左クロスから黒氏のシュートのこぼれ球を石川が押し込み、4-0とリードを広げた。

 砂金伸監督は「後半立ち上がりに逆に向こうに点が入っていたら、流れは向こうに行っていた。我慢しなきゃいけないところを我慢して、運もあったけど、隙を与えなかったと思う」と振り返った。ハーフタイムには「3点目がどっちに入るかがカギになる」と選手を引き締めた。その貴重な3点目を決めた大和久は「次の1点が決まれば流れは完全にこっちに来ると思っていた。うれしい」とはにかんだ。

 ハットトリックを「狙ってました」と言う石川の執念は後半30分に実った。長澤とのワンツーでPA内にフリーで進入。落ち着いて右足でゴールネットを揺らし、ハットトリックを完成させた。 

 主将の長澤は「練習から徐々に守備が安定してきて、それが結果にも出たと思う。これからは失点もすると思うけど、そのあとの切り替えを大事にしたい」と快勝の中でも気を引き締めた。

 どんな名門校でも初戦の戦いは難しい。砂金監督は試合前に「覚悟もしとけよ」と選手に声をかけていたという。初戦のプレッシャーにも打ち勝っての5発大勝。MF米倉恒貴(千葉)、FW山崎亮平(磐田)らを擁し、ベスト4進出を果たした3年前のチームと比較し、「突出した選手はいないけど、チーム力は遜色ない」(砂金監督)というオレンジ軍団がまずは第1関門を突破した。

<写真>黒氏(左)もゴールを決めるなど八千代は5発発進
(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

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