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[高校選手権]作陽が松商学園に4-1快勝。夏の不振を払拭

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[12.31 全国高校選手権1回戦 松商学園 1-4 作陽 埼玉]

 5年連続18回目と常連の作陽が、力の差を見せつけて快勝した。前半3分にMF河津良一(2年)が先制弾を奪うと、MF柳直人が2得点を挙げるなど4-1で松商学園(長野)を下した。

 野村雅之監督は「立ち上がりに点が入って、スムーズにいけた。(日韓W杯の会場、浦和レッズのホームという)すばらしい環境で出てきて、選手たちも楽しんで試合をできたと思う。(今年は不調だったが)この半年で選手が成長してくれた」と目を細めた。

 作陽は今年、インターハイ予選を県8強で終わった上、プリンスリーグも2部降格と苦しい時期を味わった。それでも野村監督がチームを立て直し、序盤から試合のペースを握った。そして開始3分、さっそく先制点を奪った。左CKをDF住井康紀(3年)がヘディングシュート。ポストに阻まれるが、跳ね返りをMF河津良一(2年)が右足で決めた。

 松商学園は3-5-2に近い布陣を敷き、しっかりとしたプレスからカウンターを狙った。展開力が武器のMF向井勇祐(2年)、樺沢悠也(3年)と土井亮祐(2年)の2トップを中心に攻撃を仕掛けようとした。

 しかし、簡単にはいかない。作陽が再び追加点を奪った。前半26分、右サイドで、スピードが武器のMF柳直人(3年)が縦パスに抜け出し、一気にDFラインの裏へ。きっちりと左下に決め2-0とした。その後も作陽が主導権を握り、前半33分には左サイドからのクロスをMF原田顕介(3年)がヘディングで決め、前半を3-0で折り返した。

 何とか一夜報いたい松商学園。同校は、大出裕之監督が9月に人身事故を起こした影響で、高山剛治監督代行が指揮を執る。くしくも高山監督代行は、松商学園が平成8年度大75回大会で、1回戦の作陽戦に1-1からのPK戦(4-1)で勝利したときのGK。ハーフタイムで指揮官は「俺はまだあきらめていないぞ。しっかりと自分たちのサッカーをやろう」とイレブンを送り出した。

 しかし、後半開始直後、作陽が再び追加点を奪った。まだ1分にも満たない53秒、MF柳直人が左サイドをドリブルで突破。守備陣を次々と交わし、4-0とするゴールを奪った。

 その後も、作陽がボールを支配。松商学園は守ってからのカウンターという図式が続いたが、あきらめることなく、必死にボールを追った。そして、それが実った。後半24分、左CKにMF向井勇祐が飛び込み、ヘディングで1点を返した。

 松商学園は後半25分MF中沢翼(3年)、同29分にはFW中島将吾(3年)を投入して追加点を狙いにいった。だが作陽は慌てない。守備ではしっかりとしたプレスでバイタルエリアに突入させず、攻撃ではきっりちとボールをつないで中盤を支配した。

 終盤、松商学園は奮闘を見せたが、そのまま作陽が4-1で勝利。2日の2回戦・西武台(埼玉)戦に駒を進めた。会場は埼玉スタジアム2002で、相手は地元の声援をバックに向かってくるが、常連校の意地で跳ね返すつもりだ。

<写真>先制ゴールを決めた作陽・河津
(取材・文 近藤安弘)
特設:高校サッカー選手権2009

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