[12.31 全国高校選手権1回戦 藤枝明誠 1-1(PK3-2)徳島商 駒沢]

　駒沢陸上競技場の第1試合、藤枝明誠(静岡)対徳島商(徳島)は1-1からのPK戦の末、藤枝明誠が3-2で勝った。藤枝明誠は1月日の2回戦で国見(長崎)と対戦する。

　高円宮杯全日本ユース選手権ベスト8の藤枝明誠が、苦しみながらも初戦を突破した。試合前、チームは多くの不安要素を抱えていた。中盤のダイナモとして欠かせない存在だった主将のMF小川哲生主将(3年)、ハードマークがウリのCB増田浩史(3年)の怪我が癒えず、小川はベンチ入りすら出来ない状況だった。

　それでも開始早々の1分に、こちらも負傷を抱えるエース安東大介(3年)が先制弾を叩き込むが、21分にDF尾崎修(2年)の縦パスに反応したMF小巻友希(2年)にループシュートを決められ、同点に追いつかれると、徳島商の猛攻にさらされる苦しい展開となった。

　徳島商はトップ下の小巻が変幻自在な動きで、寺西拓也(1年)、長尾善公(2年)、弓場広介(3年)の3トップに絡んで、フレキシブルな攻撃を構築。藤枝明誠は「小巻が怖くて、原口(祐次郎)が下がってしまった」と田村和彦監督が語ったように、小川に代わって右サイドハーフからボランチに起用された原口祐次郎(2年)が、小巻に引っ張られる形でポジション取りが深くなってしまったことで、セカンドボールが拾えなくなり、徳島商の2重3重の攻撃を浴びる悪循環に陥った。

　しかし、U-18日本代表候補のCB藤原賢土、GK甲斐透真(ともに3年)が集中力を切らさず、数多く訪れたピンチを凌ぎきると、後半は持ち直し、一進一退の攻防を繰り広げた結果、勝負はPK戦までもつれ込んだ。

　先攻の徳島商一人目・MF奥村亮太(2年)のキックがポストを叩き、藤枝明誠一人目・MF辻俊行(3年)のキックはゴールに吸い込まれた。結果として、これが勝敗を分けた。両チームの2人目、3人目が揃ってGKにストップされ、4人目、5人目全員が成功。藤枝明誠が苦しみながらも、徳島商の猛攻を交わし、PK戦を制して、2回戦進出を決めた。

(取材・文　安藤隆人)

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特設:高校サッカー選手権2009