beacon

[高校選手権]作陽が5年連続16強。地元の西武台を2-1で下す

このエントリーをはてなブックマークに追加
[1.2 全国高校選手権2回戦 西武台1-2作陽 埼玉]

 地元での試合開催で勢いに乗る西武台(埼玉)と常連の作陽(岡山)の一戦は、作陽が前半の早い時間帯に2点を奪い、2-1で5年連続となる3回戦(16強)に進出した。野村雅之監督は「運良く早い時間に点が取れたけど、ものすごく苦しい試合だった」と安堵の表情を浮かべた。

 “敵地”の大声援をいきなり悲鳴に変えた。前半8分、作陽が先制点を奪った。PA外右25m付近でゲットしたFK。キッカーはMF渡部亮武(3年)だった。鋭く右足を振り抜き、壁の外を巻いてゴールネットを揺らした。

 その2分後、追加点も奪った。PA内左でロングスローを受けたMF柳直人(3年)が持ち味のスピードとうまいトラップでDFを2人交わして右足一閃。ゴール右下にファインゴールを決め、作陽が2-0と試合を優位にした。

 西武台は司令塔のMF三浦大輝(3年)、1回戦を体調不良で欠場したFW関根健太(3年)、FW佐瀬達也(3年)らを中心にサイドから攻めようとするが、作陽の堅守になかなかシュートが打てない。中盤でのつなぎでは“らしさ”を発揮したが、バイタルエリアでは作陽の組織的な守備に跳ね返された。

 作陽が鋭いカウンターで攻め込む中、西武台にもビッグチャンスが訪れた。前半34分、右サイドからのクロスにFW佐瀬が飛び込みヘディングシュート。西武台最初のシュートとなった強烈な一撃は、惜しくもクロスバーをはじき得点が生まれなかった。その1分後には三浦が得意のミドルシュートを放つが、上へ外れた。

 後半、西武台は前へ前への姿勢が功を奏し、ボールを支配する時間が増えていった。後半6分、西武台はFW阿部祐希(2年)に代えて初戦でゴールを奪っているFW清水慎太郎(2年)を投入。さらに同10分にはMF楠雄樹(3年)に代えてMF佐藤翔太朗(3年)を投入。反撃を試みた。

 対する作陽は、しっかりとブロックを組み、組織的守備で跳ね返した。後半序盤は課題とするポゼッションサッカーを試みようとしたが、うまくいかず、野村監督は「2-0のサッカーをしよう。シンプルな攻撃をしよう」の指示のもと、再びカウンター狙いに出た。FW柳のスピードを活かそうと、縦にボールを入れるようにしていた。

 攻める西武台、カウンターの作陽の図式の中、西武台が反撃ののろしを挙げた。後半34分、MF関根健太(3年)が右サイドを粘って突破し、中央へ低いクロス。これを走り込んだFW佐瀬達也(3年)が右足でしっかりとゴールを決め、1点差に迫った。

 この勢いに乗り、西武台が攻める。そしてロスタイム。西武台はPA左でFKをゲット。司令塔のMF三浦大輝(3年)が中へ鋭いボールを入れるが、GKがパンチングでセーブ。西武台は“ラストチャンス”を生かせなかった。試合は直後に終了し、作陽が2-1で逃げ切った。

(取材・文 近藤安弘)

特設:高校サッカー選手権2009

TOP