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[高校選手権]指揮官の采配が的中、矢板中央が初のベスト16へ

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[1.2 全国高校選手権2回戦 矢板中央 1-0 近大和歌山 駒場]

 第88回全国高校サッカー選手権は2日、2回戦16試合が行われ、さいたま市駒場スタジアムの第1試合では、2年ぶり3度目の出場となった矢板中央(栃木)と3年連続7度目出場の近代和歌山(和歌山)が対戦し、矢板中央が1-0で競り勝った。矢板中央は3日の3回戦で作陽(岡山)と戦う。

 前半は我慢比べの試合になった。「相手が守備的にくることはわかっていた」と矢板中央の高橋健二監督が振り返ったように、近代和歌山は最終ラインの4枚とボランチ3枚で鉄壁の要塞を築き、ボールを奪っては前線に素早く放り込むサッカーを徹底。一方の矢板中央も指揮官が「(総体の)県大会で負けてから守備を強化してきたので守備には自信がある」と胸を張るチーム。前半は互いに穴を見せることなく、矢板中央がシュートわずか1本、近代和歌山に至ってはゼロという膠着した展開となった。

 この状況で先に動いたのは矢板中央だった。高橋監督は後半開始から2年生MFの渡辺光を送り出すと、14分には1年生FWの石井涼斗を投入。「彼らを入れるのはうちのパターン」という定石の交代策を打つと、この采配がピタリと当たる。

 25分、石井がロングボールを頭で落とすと、GKが処理し切れずにルーズボールとなったところを渡辺光が頭で押し込み、矢板中央が待望の先制点を奪った。ビハインドを背負った近代和歌山は試合のリズムを変えることができないまま時間だけを消化。後半からリスクを背負ってシュート8本を打った矢板中央が、後半もわずか1本に終わった近代和歌山を退け、初のベスト16進出を決めた。

(取材・文 神谷正明)

特設:高校サッカー選手権2009

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