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[高校選手権]数少ないチャンスを活かした高知が星稜に辛勝

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[01.02 全国高校選手権2回戦 星稜 0-1 高知 フクアリ]

 フクダ電子アリーナでの第2試合は、高知が1-0で星稜(石川)に勝利した。高知は3日の3回戦で青森山田(青森)と対戦する。

 共に1回戦はPK戦の末に勝利。共に4-4-2の布陣で、攻守両面でバランスが取れたサッカーを志向している。とすれば……、必然的に接戦になる。

 星稜は序盤からMF八木沼瞬主将(3年)とMF木村祐太(2年)を中心したパスワークをベースに、サイドから崩すサッカーを展開した。FW濱砂優毅(3年)、FW山崎裕平(3年)のキレも良く、チーム全体として“余裕”すら感じられた。

 対する高知は、攻守両面でバランスがとれたリアクション・サッカーで対抗。派手さはないが、危なげもない。

 決勝点は後半17分。FW久川幸輝(2年)からパスを受けた左MF野島大輝(3年)が素早く、ゴール前に走りこむMF中山貴裕(2年)につなぎ、中山が左足シュート。これ以上はないと言っても過言ではないほどスムーズな“流れ”だった。
 
 その後、星稜は猛攻撃をしかけたが、得点には至らず。高知の粘りが素晴らしかったとも言えるが、星稜攻撃陣が焦り、個の力に頼ってしまった面もある。個人突破から、即、ラストパスを狙いすぎた。もう1人経由する“余裕”があれば、結果は変わっていたかもしれない。“余裕”で、ある程度は崩せたゆえに、隙が生じ、いざという時に、ベストのスタイルを取り戻せなかった。

 試合後、高知の高橋秀治監督は「コンディションの勝利」と語った。例えば、滞在しているホテルでの食事は、「高知の栄養士にメニューを作ってもらいました」(同監督)。

 選手の判断能力を高めるため「面談の機会を増やし、選手の考えを引き出すようにした」チーム作りも功を奏したことになる。つまり、インターハイに続く16強進出は、決してフロックではない。

<写真>堅守の高知(赤)が16強進出
(取材・文 木次成夫)

特設:高校サッカー選手権2009

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