beacon

[高校選手権]"4度目の正直"67歳の名将が30年越しの胴上げ

このエントリーをはてなブックマークに追加

[1.11 全国高校選手権決勝 山梨学院大付1-0青森山田 国立]

 67歳の名将が4度、宙を待った。山梨学院大付(山梨)が初出場初優勝の快挙を達成。79、81、82年度に韮崎(山梨)で3度準優勝に終わっていた横森巧監督は試合後、優勝監督インタビューのためお立ち台に上ると、「何回かチャレンジしたけど、この台に上ることができなくて、こんな形で上れるとは思っていなかった。本当に生徒に感謝したい」と、30年越しの“4度目の正直”に感慨深げだった。

 準決勝が終わったときも選手たちは「横森監督を胴上げしたい」と声をそろえていた。MF碓井鉄平主将(3年)は「重かった」と苦笑いを浮かべたが、「試合前にみんなで胴上げしようと話していたし、胴上げできてうれしかった」とはにかんだ。

 「若いころにインターハイで優勝して、そのときも胴上げしてもらった。これが2回目です」。韮崎を率いていた75年の全国高校総体で優勝したとき以来、実に35年ぶりとなる歓喜の胴上げだった。

 実は、山梨県大会で優勝したときも選手たちは横森監督を胴上げしようとしたという。しかし、横森監督が「県大会はいい。全国で優勝したら胴上げしてくれ」と拒否。「あのときは冗談で言ったんだけど、まさか本当にここで胴上げされるとは思っていなかった。うれしかったですね」。孫のような年代の選手たちにもみくちゃにされ、メガネの奥の目を細めていた。

<写真>ベンチで戦況を見つめる山梨学院大附の横森監督
(取材・文 西山紘平)

特設:高校サッカー選手権2009

TOP