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【連載】2010Jリーグ新天地での挑戦(5)MF小野伸二(清水)

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 ボーフムから清水エスパルスに加入したMF小野伸二が22日、静岡市内で入団会見を行い、3年ぶりのJリーグ復帰、そして清水商高卒業以来、12年ぶりとなる地元復帰を果たした心境を語った。
以下、小野伸二との一問一答

●MF小野伸二
「自分が育った日本に帰ってきて、それが静岡ということでやりがいもあるし、多くの期待を寄せられていると思うので、プレッシャーもあるけど、30歳、男はこれからというのを見せたい。サッカー王国・静岡にふさわしい地位になれるように、精一杯チームに貢献したい」

―なぜ清水を選んだのか?
「ただ単に清水でプレーしたいという強い気持ちだけです」

―地元の歓迎ムードをどう感じているか?
「まだ今日会見したばかりで、自分の中ではそんなに伝わってきていないけど、練習が始まってサポーターの方を見たら感じるのではないかと思う」

―地元・清水への思いは?
「高校生までここで育ててもらったけど、プロに入るとき埼玉に行ってしまったので、清水の人たちへの恩返しという意味でも全力を尽くしたい」

―清水の印象は?
「1人1人のレベルは高いし、日本一と言ってもいい。技術者がそろっているし、そういう選手といいハーモニーを奏でられたらいいなと思う」

―代表復帰、4大会連続W杯出場への思いは?
「現時点ではとにかくエスパルスで1日1日を大事にして、毎試合参加しないと、その道は出てこない。自分としては可能性のある限り、その夢に向かって突き進んでいきたい」

―清水でどんな役割を果たしたいか?
「昨シーズン、5試合を残して首位に立ったところで失速しているので、そういうところで精神的な支えになって、みんなを引っ張っていけるチームリーダーになりたいと思っている」

―これまで海外にいる間も清水のことは気にしていたか?
「Jリーグの試合結果を見るときも清水の結果がすぐ目につくし、ずっと頭にあった。そういう中で清水に加入できて、関係者の皆さんに本当に感謝しています」

―30歳というタイミングでの移籍だが?背番号も30だが?
「30歳だから帰ってきたわけじゃない。日本と欧州ではシーズンが違うので、このタイミングがベストだと思っていた。30番については、いろんな選手が番号を気にするし、空いている番号に30番があって、30歳ということもあって選んだ」

―ボーフムでも試合に出るようになっていたが、なぜ日本に復帰したのか?
「タイミングです。この時期が一番いいタイミングだと。欧州のシーズンが終わってからだと6月を過ぎるし、清水がスタートする1日目から参加して、チームづくりに携わりたいと思っていた。清水だから、このタイミングで戻ってきた」

●早川巌社長
―小野選手をお披露目する試合の計画は?また契約年数は?
「2月28日に新潟とアウスタでプレシーズンマッチを行うので、そこでお披露目となる。サポーターに対してもそこで挨拶してもらおうかなと考えている。契約は2年契約。ただ、3年でも5年でも続けられる限りやってもらいたいと思っている。骨を埋める気持ちで来てくれていると思う」

●MF小野伸二
―清水でプレーする上での課題は?
「自分の課題はたくさんある。(長谷川)健太監督の下でいろんなことを吸収して、学ぶことから始まると思う」

―この12年間はケガとの闘いでもあったが、現在のコンディションは?また自身のキャリアの中で30歳の現在はどういう位置付けか?
「ケガの状況については、昨日メディカルチェックを受けて、問題ない。コンディションは万全。今の時点で万全というのはおかしいけど、25日からみんなとしっかり練習できる状態にある。現在の状況については、ここからがスタートかなと。新人のころの気持ちを思い出して、常にサッカーに貪欲に、サッカーのことだけを考えてやっていこうという気持ちでいる」

―今季の目標は?
「タイトルを全力で取りに行く。それひとつに限ると思う。ひとつひとつのプレーを一生懸命にやっているところを見せたい」

―ポジションはどこで出たいか?
「中盤ならどこでもできるけど、監督の考えもあるし、監督と話し合って。すぐに出られるとは思ってない。それぐらいいい選手がいる。そういう選手たちを抑えて、まずピッチに立つことが目標。毎試合毎試合、勝ち点3が取れるように力を尽くしたい」

―オレンジのユニフォームを着た感想は?
「色が似合ってるのかどうかは自分では分からない」

―オレンジという色は好き?
「色の中でオレンジは好きなカラー。20歳ぐらいのころはオレンジのバッグを買ったり、オレンジの服を着たりもしていた」

―30番にこだわりは?
「98年のW杯の前に韓国と日韓戦をやったときが30番だった。その1回しか付けていない」

―ユニフォームには「SHINJI」とプリントされているが?
「伸二と呼ばれることが多いので、そう呼んでもらえたら。ただ、岡崎(慎司)もいるので、彼に悪いのかなと(苦笑)」

―その岡崎の印象は?
「力強いというか、頼りになるし、大事なところで点を取ってくれる選手だと思う」

―12年ぶりに戻ってきた清水への思いは?
「プロに上がるための準備をさせてもらったところだし、清水商での厳しい練習でどこに行っても通用する体をつくってもらった。それと毎日富士山を見れるのは力になる」

―地元・清水のクラブでプレーする心境は?
「今、自分がここに立っているのも不思議な感じ」

―長谷川健太監督のサッカーに対するイメージは?
「チームワークは日本一だと思うし、タイトルを取ってないのが不思議なぐらい。みんなで力を合わせて、タイトルを取れるようにしたい」

―どんな味付けを加えたい?
「まだ各選手のキャラクターが分からないし、1人1人のキャラクターを見極めながらだと思う」

―清水でプレーするイメージは?
「いい選手がそろっているので、フィーリングでというか、何か言わなくてもアイコンタクトで感じ合ったり、同じ気持ちでできると思う。スムーズにいくと思う」

―W杯への思いは強い?
「まず清水で試合に出ることが大前提。代表には最近呼ばれてないけど、最終的においしいところを持っていければ」

―帰国してからも体を動かしていた?
「10日に帰国して、2、3日ハードに動かしたぐらいで、あとは25日の始動に備えている」

―欧州での経験をどう持ち込みたい?
「ピッチの上じゃないと…。自分でも何を持って帰ってきたか分からない」

―ボーフムでの経験は?
「ハードワークの面で練習でも試合でもフィジカルコンタクトが多かったし、そういう面はあると思う」

―社長は「骨を埋める気持ちで」と言っていたが?
「どこに行っても骨を埋める気持ちでやっている」

―30歳になってみて、若いころに思っていたイメージと違いは?
「18歳のころにそういう人たちを見ていて、自分もその立場になったのかと。今日も18歳の選手がいたけど、若いなと思った。でも、年は30歳でも、気持ちはいつも若いので」

―79年生まれの選手はみんなJリーグに戻ってきたが?
「みんなどのチームでも主力を構えているし、彼らに負けないように、刺激を受けながらやりたい。どの試合も必ず勝つ気持ちで戦う」

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
第4回藤田優人(横浜FM)
第3回小宮山尊信(川崎F)
第2回北野貴之(大宮)
第1回柏木陽介(浦和)
※この連載では10年シーズンに新天地へ移籍した注目選手をJ1の18チームから1人ずつピックアップしていきます(新人選手は除く)

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