[3.3 アジア杯予選 日本2-0バーレーン 豊田ス]

　日本代表は3日、アジア杯予選でバーレーン代表と対戦し、2-0で勝った。MF中村俊輔(横浜FM)とMF本田圭佑(CSKAモスクワ)が約2年ぶりに同時先発。前半36分、2人のパス交換から最後はFW岡崎慎司が先制点を決めると、後半ロスタイムには本田がダメ押しゴールを決めた。
以下、試合後の岡田監督会見要旨

●岡田武史監督
「立ち上がりは入れ込み過ぎたのか、変な緊張感があって、前に早くなり過ぎていた。本田も2トップ気味になっていて、ボールが自分たちのペースで回らなかった。海外組が万全でないのは分かっていたが、後半途中から足が止まって、攻撃が薄くなった。ただ、数日前に集まってやった試合にしてはそこそこかなと思う。試合前に“言い訳なしで結果を出せ”と話したが、何とか結果を出してくれた。初めてバーレーンに対して1点差ではなく勝てた。チャンスで決めるとか問題点はまだあるが、選手は最後まで点を取りに行って、2点目を取ってくれた」

―森本ではなく、岡崎を先発で起用したのは?
「海外組のコンディションやコンビネーションで計算が立たない部分があった。戦術的な練習は1回で、ある程度計算の立つ形でスタートしようと考えた」

―「言い訳なしで結果を出せ」と言ったのは?
「東アジア選手権でW杯のことや我々のサッカーのことを考えて、目先の勝負に徹することができなかった。我々はそういうことも考えるが、選手には勝負に徹してもらいたかった」

―俊輔と本田の連係は?
「今まで一緒に使っていてスムーズじゃない部分もあったが、今回ビックリしたのは本田のプレースタイルが変わって、シンプルにプレーしたり、動いて守備もする。。体が切れている状態だったし、今までになく良かったと思っている。本田が点を取ってくれたのは我々にとって大きい。彼に期待していることは得点力で、彼が点を取ったというのは他のだれが取るよりも我々にとってうれしい」

―松井に期待することは?
「昨年まで今日のメンバーに近い顔ぶれでやっていたので気心も知れているし、松井は最低限、攻守に渡って計算が立つ。中盤でのシンプルなプレーとか、まだ足らないところもあるが、左サイドでワイドに張ってプレーできるし、ボール際でも最低限戦ってくれる」

―ハーフタイムの指示は?
「立ち上がりが入れ込み過ぎで、本田のポジションが高すぎると話した。裏を狙うことも大事だが、うちのリズムになっていなかったと言った。本田、長谷部、遠藤のところで少しボールを動かして、そこから外へ展開して、俊輔か松井が絡んで、外に起点をつくって攻めようと。あとは無駄なファールをしないこと。レベルの高いチームのセットプレーはリスクがあるという話をした。あと2つあったが、大したことは言ってない」

―同じようなメンバーにもかかわらず、連係のミスが目立ったが?
「前半はちょっと入れ込み過ぎて、2人で競りに行ったりしていた。カウンターから決定的な場面をつくられたところがあったが、守備はそれほど心配していない。ただ、自陣でのイージーなミスパスが少し目立ったのは気になった」

―東アジア選手権から変わったことは?
「今回のメンバーが一番長くやっているし、東アジア選手権のメンバーは親善試合の数試合だけ。長い時間やっている選手ということで連係はよかったと思う。今回はスタートポジションの意識をテーマにした。自由に動いてバランスを取れれば理想だが、そうもいかないので意識しろと言った。ポッと言うだけで理解できるような経験を持った選手というのは大きい。あとは技術の精度、ミスが東アジア選手権より少なかったと思う」

<写真>日本代表岡田監督
(取材・文　西山紘平)