beacon

【連載】南アへカウントダウン!(2)香川が“J1の壁”を痛感。乗り越えてさらなる成長へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

南アフリカW杯開幕まであと96日!
[3.7 J1第1節 大宮3-0C大阪 NACK]

 J1での初めての試合は、ほろ苦いものとなった。4年ぶりにJ1復帰したセレッソ大阪だが、日本代表MF香川真司にとっては未体験。昨季のJ2での活躍、代表での経験を考えれば、問題ないかと思われたが、大宮戦では持ち味を発揮できなかった。

 「90分通して、悔しさしか残らない。今の自分の実力はこれくらいだということ。ポゼッションできないし、すべてで負けていた。なかなか、前を向かしてもらえなかった」

 ボールを受けてもつぶされる。仮に持てても前を向けない。何もできない・・・。昨年までのイメージの香川なら、あり得ないシーンが目立った。大宮の北朝鮮代表MFアン・ヨンハのマークに苦しんだ。J1とJ2では球際の厳しさなどフィジカルの“壁”を感じたという。

 たしかに、この日は雨で、テクニック系の選手には苦しい環境だった。チームメートの乾貴士も持ち味を発揮できず、シュート0に終わった。香川は昨季患ったケガの影響もあり、まだまだ万全ではない。だが「J2とは比べられない寄せの速さを感じた。甘い気持ちで挑んではだめということ」と、表情は硬かった。

 日本代表に生き残るためにも、海外オファーを断り、C大阪に残った。J1で活躍し、代表での立場を巻き返したい。これが本音だ。だが、2月の東アジア選手権は思うような試合出場を得られず。韓国戦では大久保のケガで途中出場したが、前半だけで代えられる屈辱も味わった。バーレーン戦は、メンバーに選ばれなかった。J1で見返すしかなかった。

 くしくも、この日は日本代表の岡田武史監督が視察に訪れた。それなのに・・・。悔しさは募るが、それでもJ1リーグはまだ始まったばかりだ。

 「きょうは1試合目。これからもっと良くなると思う。もっと練習したい。練習からしっかりとやっていきたい」と香川。天才が“挫折”を知り、それを克服すれば、さらなる成長が望めることは間違いない。香川はこの一歩をきっと、未来への大きな一歩へと変えてみせる。

<写真>C大阪MF香川(8番)
(取材・文 近藤安弘)

※今連載ではJリーグ取材時にW杯を目指す日本代表選手を取り上げていきます

第1回:興梠が電光石火の先制弾

TOP